県内初のなでしこリーグ入りを目指し、2月1日に創設された女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川」。全国から集められた15人の選手の中に、座間市出身の18歳、吉見夏稀選手がいる。中・高時代に所属したJFAアカデミー福島から、生まれ故郷の神奈川へ―。2月14日に開かれたチームの初練習で話を聞いた。
「とても仲の良い雰囲気。うまく馴染めそうだけど、荷物運びは率先してやっていきます」。1日のノジマステラ創設から初の顔合わせとなった練習を終え、チーム最年少18歳の吉見選手ははにかみながら答えた。ポジションはサイドバック。攻める守りで、チームへの貢献度を高めたいと話す。
チームを創設したのは家電量販の(株)ノジマ(本社/横浜市)。ゼネラルマネージャー兼監督を、東京電力マリーゼやJ2湘南の元監督、菅野将晃氏が務める。昨年12月にセレクションを行い、参加した48人から15人の選手が選ばれた。最年長は24歳。トップチームの選手はノジマと正社員契約を結ぶ。現在、相模原市南区新戸に人工芝のグラウンド、クラブハウスを建設中。
弱冠12歳で地元を離れる
友人の誘い、兄の影響でわずか4歳でボールを蹴り始めた。栗原小学校出身。ACロッソ(座間市/倉盛福二郎代表)に所属し、6年生までを市内で過ごした。卒業後はアスリート養成機関JFAアカデミー福島(福島県楢葉町)へ。「目標は日本代表」と、弱冠12歳で親元を離れた。福島の公立中学、高校へ進学し、サッカー、学校、寮生活を両立させた。
辞めたいと思ったことは一度もない。ゴールを決めた瞬間の歓喜にやみつきになり、仲間のおかげで「寂しさはなかった」。地域交流を重視するJFA福島では「祭りやホームステイに参加させてもらい町の人と触れ合った。内面も成長できたと感じています」という。
3・11 福島で
大きな揺れを感じたのは、下校し練習が始まるちょうどその時だった。JFA福島は東京電力第一原発からわずか20Km。ロビーで一夜を明かした翌日、東電の社員から南へ避難するよう告げられた。
13日には東京へ戻り、仲間は一時解散。吉見選手は4月5日まで栗原の実家で過ごした後、高校の籍を移さずに、三島市にある高校へ通った。将来は福島に本拠地を置く東京電力マリーゼでプレーしたいと、それまでは考えていた。
ノジマステラのセレクションは菅野氏から紹介された。神奈川でサッカーができる環境に感謝を示す。チームには昨季のなでしこリーグに在籍した選手も。「見て感じて吸収したい。人の心を動かす選手になりたい」
3月1日に卒業を迎え、4月からは国士舘大学へ進学。午後の練習との両立が始まる。専攻はアジアビジネスで、会社経営も夢のひとつ。「スポーツだけでなくちゃんと勉強もしたい」と前を向く。
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