新春 インタビュー 「原点」見つめ 市政運営 小林常良厚木市長に聞く
2013年の幕開けにあたり、本紙では小林常良厚木市長に恒例の新春インタビューを行った。小林市長は「原点」をテーマに掲げた昨年の振り返りや、2013年度の予算編成・市税収入の見通し、市が昨年11月に取得し再整備する(仮称)あつぎ元気館の進捗状況などについて話した。 (聞き手/本紙・厚木編集室副編集長 鳥海靖史 撮影/山本道子)
−−明けましておめでとうございます。まずは昨年を振り返って厚木市にとってはどのような年でしたか。
「2012年は、厚木市出身の、菅井円加さん(バレエダンサー)、斉藤愛璃さん(プロゴルファー)、大儀見優季さん(女子サッカー選手)などが日本国内外を舞台に大活躍し、市民の皆様を始め多くの人々に夢と感動、そして元気を与えてくれた素晴らしい一年でありました。
また、市政運営につきましては、『原点』をテーマに掲げ、今まで構築してきたあらゆる事業の必要性や効果を再検証するとともに、行財政改革に積極的に取り組んでまいりました。
特に、行政としての責務・役割の原点である『市民の生命・財産を守り抜く』ために、東日本大震災を教訓に、あらゆる角度から本市の防災力を検証し、2012年3月に地域防災計画の抜本的な見直しを完了することにより、防災対策の充実・強化に取り組んでまいりました。
市政をあずかる私の基本姿勢は、『市民の皆様が安心して安全に暮らせるまちをつくること』、『市民協働のまちをつくること』、そして『活力あるまちをつくること』であります。この『原点』をしっかりと見つめ、あつぎに住み、働き、学び、集うすべての皆様が、夢と希望をかなえ、明るく元気で暮らすことができるよう、元気なあつぎの創造に向け、市政の舵取り役としてまい進してまいりました」
暮らしと健康守る施策推進
企業誘致や再生可能エネルギー導入も重点
「県央の雄都」として
−市長として2期目の任期も折り返しになります。1期目とその後約2年が経過して見えてきた厚木市の課題と、今後2年間の意気込みは。
「私は、市長就任当初から『みんなでつくろう元気なあつぎ』をスローガンに、常に初心を忘れることなく、市政運営にまい進してまいりました。そうした中で、私がマニフェストに掲げる三大改革である『経済活性化・企業誘致』、『子育て・教育環境日本一』、『徹底した行財政改革』に取り組み、『10の柱と100の実行計画』を推し進め、持続可能な発展を推進してまいります。
そのためにも、私も、『何事も真心を持って信念を貫けば、天に通ずる』という強い姿勢を持ち、新たな課題に果敢にチャレンジし、市民の皆様と力を合わせて、ふるさと厚木を『県央の雄都』として創造してまいります」
元気な厚木目指す
−2013年度の予算編成・市税収入の見通しは。新規事業の予定や重点政策はありますか。
「2013年度の財政見通しについては、高齢化の進展など社会構造の変化や景気低迷の長期化などにより、歳入の根幹である市税収入が2012年度当初予算と比較して、減収となるなど、歳入全体では、2012年度当初予算額を下回る見込みであります。
こうした状況の中、2013年度につきましては、例年にも増して厳しい予算編成を行わなければならない状況ですが、2012年に着工しました新・市立病院の建設を始め、市民の皆様の暮らしと健康を守る施策を推進するとともに、多くの市民の皆様から期待が寄せられている『(仮称)あつぎ元気館』の整備を始めとした中心市街地の都市基盤整備、更には、企業誘致や再生可能エネルギーの導入の推進などに重点的に取り組み、市民の皆様との協働により、本市の将来都市像である『元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市 あつぎ』の実現に向け取り組んでまいります」
活性化の起爆剤
−厚木市は(仮称)あつぎ元気館として整備する旧厚木パルコ(厚木パークビル)を昨年11月に取得しました。現在の進捗状況は。
「2012年11月に、これからの整備の基本コンセプトや整備方針を定めた『(仮称)あつぎ元気館整備基本計画』を策定いたしました。この基本計画は、公募の市民の方6人を含む18人で構成する整備検討委員会からの提言や、市民アンケート、意見交換会、さらには、パブリックコメントにおいて寄せられた市民の皆様の意見を反映して策定したものでございます。今年は、この基本計画に基づき改修のための設計を進め、夏には改修工事を開始し、2014年春のオープンを目指して、整備を進めてまいります」
−市長はこの元気館をどのような役割がある施設と位置付けていますか。
「厚木市総合計画『あつぎ元気プラン』において、まちの活性化の起爆剤となる施設として、(仮称)あつぎ元気館を整備することを位置付けております。
(仮称)あつぎ元気館は、整備基本計画の中にもありますように、中心市街地の回遊性の向上やにぎわいの創出、そして、子どもから高齢者まで、あらゆる世代が交流できる施設とすることが、大きな基本コンセプトと考えております。
そのためにも、市民の皆様はもとより、市外からのお客様が、気軽に、何度でも立ち寄っていただけるような魅力あふれる施設づくりを進め、市民の皆様に愛され、誇りに思っていただける施設にしたいと思っています。
ここに集い、訪れる方が、ワクワク楽しくなる(仮称)あつぎ元気館のオープンまで、あと1年と少しです。皆様、ご期待ください」
「さがみ縦貫道路」が一部開通
−最後に、厚木市民へ向けてメッセージをお願いします。
「本年3月、いよいよ『さがみ縦貫道路』海老名インターチェンジ~相模原愛川インターチェンジ間が開通します。本市においても『圏央厚木インターチェンジ』や『厚木パーキングエリア』が完成し、市民の皆様には、生活の中でこれまで以上に交通の利便性を実感していただけるものと確信しております。
今から45年前、東名厚木インターチェンジが開通したことで、多くの企業が集積し、本市は『人・もの・情報』が集まる県央の拠点都市として発展を遂げてまいりました。
今回の『さがみ縦貫道路』の開通は、本市のポテンシャルを高めます。そうした中で、これまでの本市の発展の歴史を礎に、本市の特性を生かしたまちづくりを進めていくことが重要であると考えております。具体的には、企業の立地を更に促進し、雇用機会の拡大や産業の活性化に努めるほか、本市の魅力を全国へ発信し、多くの観光客を誘致してまいります。
今後も、市民の皆様と手を携えて、明るく元気で幸せに暮らすことのできるまちづくりを進めてまいりますので、市政への変わらぬご協力をお願いいたします」
−ありがとうございました。
「新たな課題にチャレンジしたい」と話す小林市長
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