厚木市の本厚木駅南口地区市街地再開発事業に関して、具体的な事業区域が明らかになった。駅前広場は道路を挟んだ全日空ハピネスビルの一部まで拡張され、残りの区域は25階建て相当のビルとして再開発される。
再開発事業の区域となるのは、駅前広場と旭町1丁目25番地からなる約8000平方メートル。現在約3460平方メートルの駅前広場は、拡張後にはおよそ4530平方メートルになる。
本厚木駅南口地区に関しては、2005年に地権者らによる再開発事業の準備組合が設立。2009年に県が出した「厚木都市計画都市再開発の方針」において、再開発事業と併せた駅前広場の拡充整備が盛り込まれていた。
市本厚木駅南口再開発事務所の沼田芳基所長は「現状の駅前広場は、バス・タクシー・一般車両が錯綜しており、歩行者の利便性向上を含めすっきりした配置になれば」と話す。
拡張後の広場に関しては、現在あいまいになっている一般車両やタクシーの待機スペースの確保などが案として挙がっている。
また、ペデストリアンデッキの設置を求める声も市民の中にはあるが、これに関しては本厚木駅の改札が地上階にあることや、柱を設置することで交通の妨げになる点が考慮され、実現の見通しは低い。一方で、歩行者の利便性向上を目的に、歩道を広げた上で通路に屋根を付けるといった意見が出ている。
中心市街地最大の高層ビルに
りそな銀行厚木支店周辺の2370平方メートルの土地は、高さ約90m・25階建て相当の再開発ビルとなる予定。厚木アクストメインタワー(地上26階建て)に匹敵する高さで、実現すれば、中心市街地としては最大の高さのビルとなる。
低層階に関しては商業・業務系のテナントを入れ、高層階はおよそ150戸の住宅スペースとなる予定。今のところ市の施設が入るなどの構想はないが「地域の新たなランドマーク」としてビルの名称も付ける意向だという。
今後は地権者や警察などとの協議を進め、2014年度には都市計画決定の手続きを終える。市では2016年の事業着手をめざしており、実際に南口の風景が変わるまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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