公民館や夢未市などでみそ作りの講師を務める 臼井 スミ子さん 飯山在住 78歳
「食を伝える」ことが使命
○…本当のみその味を伝えたい――その一心で、15年以上講師を続けている。「みそは母の味」と言うように、母親から食生活の大切さを学んだ。みそ作りの基本は、原料をしっかりと栽培すること。亡き夫と創業した養豚場・臼井農産では、津久井在来大豆を栽培、麹も自社のものを使用し、みそを仕込む。これまで教えたのは1000人以上。「おいしかったと言ってくれる人が多い」と顔をほころばせる。みそ作りのきっかけとなったのは、夫の病気。腎臓を悪くし、食生活に苦労したという。「それでも豚肉とみそを食べて頑張った」と、30年続いた闘病生活を振り返る。
○…南足柄市の農家に生まれた。22歳で結婚し厚木へ。3人の子どもに恵まれたが、夫が病に伏せたこともあり、自身で養豚場を切り盛りした。「おいしい豚を作るために努力した」結果、消費者に目を向けるように。2006年には食肉販売の許可を得て、直売所のうすいファームを開いた。
○…60歳で長男に養豚場を引き継いでからは、「やりたいことをやろう」と農業に目覚めた。絶対に手を抜いてはいけないという父親の教えもあり、当時、地場産の大豆がなかったが、自社で津久井在来大豆の栽培に成功。今では市内で年間4〜5tの大豆を収穫している。4年ほど前からは、荒廃地を利用した体験農園を主催。「農業の楽しみを味わってほしい」との思いから始めた。「若い家族の参加者が多いのよ」とにっこり。
○…現在は孫娘の一家と同居。なんとひ孫は総勢6人。今年、さらに2人増える予定と言い「子どもはたくさんいた方がいい」と目じりを下げる。今では「子育てが趣味」と言うように、子ども、孫と2代に渡る子育て経験を活かす。取材中も、ぴったりとくっつく1歳半のひ孫に、「なーに照れちゃって」と嬉しそうな表情。「次の世代が元気に育ってくれるのが一番の幸せ」と、やさしい眼差しで語った。
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4月11日