▽「介護は自分の老いのリハーサル」「老いた体を自分の精神でいじめない」「曖昧さには愛がない」など次々に飛び出す金言の数々。祖父母、父母、姑の介護体験を、「お姑のキクさん」とともに腹話術を交えて、講演をする羽成幸子さん(毛利台在住)。講演活動は今年で25年目を迎えた。
▽19歳で父が入院。母が看護する中で、祖母とともに祖父の介護を手伝い始めた。それから49歳まで、5人の介護に努めた。小学校のPTA役員の時に、介護体験を話してほしいと頼まれたのが、講演活動のきっかけ。「私の話は介護される人のためではなく、介護する人のための話」。そんな話を聞きたくて、今でも全国から講演の依頼が絶えない。
▽介護で大事なのは、その人の人生を受け入れること。そのため「やり方は幾通りもある」と話す。そして、何よりも自分が元気でいることが大事、と説く。「自分が潰れちゃいけない。自分と相手、守る命が2つあるから、介護は究極の修行ね」と語る。だから、介護が終わった人には「100%やったね。これからは自分の人生を楽しんで。それが送った人への最高の供養よ」と声をかけて労うそう。
▽やりたいことは、ためらわずやるのが羽成流。「私は介護のために生まれたわけじゃないから」とにっこり。「好きなことをしていれば、介護する人を恨まずに済むの」。現在は、糖尿病の夫を支えながら、2人の孫の世話も。その合間を使って、通信制大学で哲学を学ぶのが至福の時だ。「知らないことを知るのが楽しくて」。最後に、今まさに介護を頑張っている人にメッセージをもらった。「介護は頑張っちゃダメ。長く続かなくなっちゃうから。自分を大事にしてほしい」。『介護の達人』(文春文庫)など著書も多数。エッセイストとしても活躍中だ。
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