スノーボード選手にとって、オリンピックやワールドカップと並び、最高峰とも称される世界大会『X(エックス)ゲームズ』で、飯山在住の大塚健(たける)さん(17)がスノーボード男子ビッグエアで優勝、世界一に輝いた。
メダリスト押しのけて
大会は5月19日にノルウェーで行われた。出場できるのは8人のみ。6人は、世界の有名トップ選手などの招待選手。残り2枠に、オーストリアで4月に行われた、18歳までが出場できる『ワールドルーキーツアー』で優勝し、出場権を手にした。「小学生の頃から目標にしていた」念願の大会だが、海外大会を数多く経験していて「緊張はしなかった」。
ビッグエアは、30mほどのジャンプ台から飛び出し、空中での技の難易度・完成度を競う。1本目に縦に3回転、横に4回転し板をつかむ技を決めて45・0で2位につけた。「完成度は低かったが、次も成功させればいけるはず」と挑んだ2本目は、逆足から同様に飛ぶ技を完成度高く決め、合計91・0。2位以下に5ポイント近くの差をつけて優勝を決めた。
遠く離れた自宅からライブ中継を見ていた家族は、大騒ぎだったという。今年行われた冬季平昌オリンピックのメダリスト4人を押さえての優勝に「まだ実感がないが、念願の大会初出場で結果が出せてうれしい」と話す。
夢に飛びだせ
大塚さんがスノーボードを始めたのは小学1年の時。家族で行った新潟で「ハマった」。小4で技を決めるようになり大会に出場、小6でプロライセンスを取得した。中学に入学すると、海外大会にも出場するようになった。中3で、世界で指折りのスノーボードメーカー『バートン』が、現在は本厚木整骨院やムラサキスポーツなど計7社がスポンサーについている。シーズンは冬山で、それ以外は埼玉や長野の室内練習場で汗を流す。
怪我も何回も経験している。着地の失敗で年に4回骨折したことも。肺が破裂したが2週間後には大会に出場したこともある。
母の朋美さんは「怪我は心配だが、気を付けつつ頑張ってほしい」と、息子の背中を後押しする。
大塚さんは「スピード感、浮遊感がたまらない」と魅力を話す。「大きな大会で常に上位に入り招待選手の常連に。オリンピックも目指していく」と夢を語る。
世界最高峰とも
『Xゲームズ』は、エクストリームスポーツと呼ばれるスキーやスノーボード、BMX、スケートボード、インラインスケート、サーフィンなどの腕を競う、夏と冬に行われる世界大会。国内での知名度は高くはないが、アメリカを中心に世界中で放映され、競技によっては同大会に出場するためワールドカップの出場を辞退する選手もいる。
厚木・愛川・清川版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|