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増える認知症高齢者、対策は? 25年には市内で1万2000人超と予測

社会

公開:2018年12月14日

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サポーター養成講座のようす
サポーター養成講座のようす

 市内の緊急・災害情報を伝える防災行政無線で流れる行方不明者の情報。市では、主に高齢者の行方不明で、家族の希望がある場合に情報を流している。市介護福祉課によると、原因は主に認知症による徘徊。2025年には全国で約700万人が認知症になると推計されるなか、市が取り組む対策について取材した。

 市では16年1月から、認知症高齢者等徘徊SOSネットワークシステムを開始した。これは、高齢者が行方不明になった際に、すぐさま警察などに情報提供ができるよう、個人の情報を登録しておくというもの。事前に本人の写真、特徴を登録しておくことで、捜索がスムーズに行え、早期発見につながる。登録の際には、靴やかばんに貼付できる見守りステッカー、GPS端末も貸与される。特に位置情報がわかるGPSは、過去に発見の手掛かりになったこともある。現在の登録者は約180人。同課では「徘徊の恐れを感じたご家族などが登録する場合が多い」と話す。

 さらに、市では認知症サポーターの養成に力を入れている。養成講座を継続的に実施しており、これまでに約1万2000人を養成した。20年度までに1万4500人を目標に掲げる。認知症サポーターとは、認知症に対する正しい知識を持ち、理解する人のことで、講座を受ければ、サポーターになることができる。「認知症について理解している人を増やすことで、地域全体での見守りにつながる」と同課では受講を呼び掛ける。

 それに関連して、今年の9月には、市のごみ収集車に乗る職員の約80人が講座を受けてサポーターとなった。ごみ収集の職員は市民と直接ふれあう機会が多く、ごみ回収を通して認知症の人と接することがあるため、徘徊等の情報収集ができるなど、見守り体制の強化にもなる。同様に11月には、公園の管理や公衆トイレ、浄化槽の清掃をする市環境みどり公社の職員も講座を受講し、サポーターとなった。

 厚木警察署によると、高齢者の行方不明の捜索では「防災無線の力が大きい」と言う。ここ3年の防災無線の放送回数は、16年度が23件、17年度が28件、18年度(12月10日時点)が23件。増加傾向にあるが9割5分以上が発見されている。市内でも団塊の世代が75歳以上となる25年には、1万2000人を超えるとされる認知症高齢者。今後も地域で支えあう体制が求められそうだ。※SOSネットワークシステムの登録や認知症サポーターについては市介護福祉課【電話】046・225・2220へ。

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