神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

研究一筋な理系女子(リケジョ)

教育

公開:2019年5月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
研究一筋な理系女子(リケジョ)

 身長170cmのモデル体型に切れ長の瞳は、まさにクールビューティー。神奈川工科大学大学院2年・工学研究科応用化学・バイオサイエンス専攻の根木麻耶加(まやか)さん(23)は「シャペロニンを利用したドラッグデリバリーシステム(DDS/薬剤の局所送達)」を研究している理系女子“リケジョ”だ。

研究一筋な日々

 根木さんの所属している小池あゆみ教授の研究室は、女子学生も多く在籍。「平等な立場で意見を言い合えます」と充実のようす。一般的な23歳女子とは180度違う“研究一筋”な日々。研究に没頭して日付が変わることも日常茶飯事だ。「成果が出たときや、自分の考えが教授に通ったとき、『間違っていなかった』と嬉しい気持ちになります」。そう笑顔で話す表情は、等身大の彼女を映し出す。

薬を患部に届ける

 ほとんどの薬物は、本来の効能以外に副作用がある。例えば、がんに効く薬は全身に運ばれるため、正常な組織にまで影響を及ぼしてしまう。そこで根木さんは、シャペロニンを使用したDDSの研究をしている。

 DDSとは、薬を必要最低限の量で、体の必要な場所へ狙い通りに届ける技術のことをいう。

 シャペロニンとは、どの生物にもあるたんぱく質のことで、内部に直径約5ナノメートルの空洞がある。この空洞は開閉自由なカプセル型で、変性したたんぱく質を内部に閉じ込め、8秒後に放出する性質をもつ。研究室では、閉じ込めから放出までの時間を、8秒から12日まで遅延させたシャペロニンを作製。シャペロニンの空洞に金属ナノ粒子を閉じ込め水溶液中で分散、10日間安定して保持できることを証明した。これを利用することで、「人体内に薬物を運び、的確な時間と場所で薬物を放出し、最大限の効果を得られるのではないか」と考えている。

乗り越えた先に

 「実験をしていると、うまくいかないことが何回もある。乗り越えるために、次にどうしたらいいのか考えるのが難しい」と吐露するも、乗り越えた先に見える景色に、ワクワクしているようす。学生生活も残り1年を切った。将来は「今学んでいる技術を生かした職業に就きたい」。研究を通じ、自身も成長する日々がこれからも続く―。
 

根木麻耶加さん(23・鳶尾在住)。静岡県出身。神奈川工科大学応用バイオ科学部卒業。現在は同大大学院2年・工学研究科応用化学・バイオサイエンス専攻、小池あゆみ研究室に所属。研究テーマは「膜透過ペプチド融合シャペロニンGroEL GroES複合体のDDSへの応用」
根木麻耶加さん(23・鳶尾在住)。静岡県出身。神奈川工科大学応用バイオ科学部卒業。現在は同大大学院2年・工学研究科応用化学・バイオサイエンス専攻、小池あゆみ研究室に所属。研究テーマは「膜透過ペプチド融合シャペロニンGroEL GroES複合体のDDSへの応用」

厚木・愛川・清川版のトップニュース最新6

子育て、防災関連手厚く

愛川町当初予算

子育て、防災関連手厚く

2年ぶり不交付団体に

3月7日

受診目安、スマホで確認

厚木市

受診目安、スマホで確認

子育て世帯向けに試行

3月7日

44年ぶり重文指定へ

清川村

44年ぶり重文指定へ

二ホンオオカミ頭骨など

2月28日

電子化へ利用自治会募る

厚木市回覧板

電子化へ利用自治会募る

役員負担軽減へ6月開始

2月28日

福祉サービス大賞受賞

愛川舜寿会

福祉サービス大賞受賞

共生拠点施設の運営評価

2月21日

一般会計、過去最大規模に

厚木市当初予算案

一般会計、過去最大規模に

教育・子育てに注力

2月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月7日0:00更新

  • 2月7日0:00更新

  • 1月17日0:00更新

厚木・愛川・清川版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2025年3月7日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook