身長170cmのモデル体型に切れ長の瞳は、まさにクールビューティー。神奈川工科大学大学院2年・工学研究科応用化学・バイオサイエンス専攻の根木麻耶加(まやか)さん(23)は「シャペロニンを利用したドラッグデリバリーシステム(DDS/薬剤の局所送達)」を研究している理系女子“リケジョ”だ。
研究一筋な日々
根木さんの所属している小池あゆみ教授の研究室は、女子学生も多く在籍。「平等な立場で意見を言い合えます」と充実のようす。一般的な23歳女子とは180度違う“研究一筋”な日々。研究に没頭して日付が変わることも日常茶飯事だ。「成果が出たときや、自分の考えが教授に通ったとき、『間違っていなかった』と嬉しい気持ちになります」。そう笑顔で話す表情は、等身大の彼女を映し出す。
薬を患部に届ける
ほとんどの薬物は、本来の効能以外に副作用がある。例えば、がんに効く薬は全身に運ばれるため、正常な組織にまで影響を及ぼしてしまう。そこで根木さんは、シャペロニンを使用したDDSの研究をしている。
DDSとは、薬を必要最低限の量で、体の必要な場所へ狙い通りに届ける技術のことをいう。
シャペロニンとは、どの生物にもあるたんぱく質のことで、内部に直径約5ナノメートルの空洞がある。この空洞は開閉自由なカプセル型で、変性したたんぱく質を内部に閉じ込め、8秒後に放出する性質をもつ。研究室では、閉じ込めから放出までの時間を、8秒から12日まで遅延させたシャペロニンを作製。シャペロニンの空洞に金属ナノ粒子を閉じ込め水溶液中で分散、10日間安定して保持できることを証明した。これを利用することで、「人体内に薬物を運び、的確な時間と場所で薬物を放出し、最大限の効果を得られるのではないか」と考えている。
乗り越えた先に
「実験をしていると、うまくいかないことが何回もある。乗り越えるために、次にどうしたらいいのか考えるのが難しい」と吐露するも、乗り越えた先に見える景色に、ワクワクしているようす。学生生活も残り1年を切った。将来は「今学んでいる技術を生かした職業に就きたい」。研究を通じ、自身も成長する日々がこれからも続く―。
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