5月8日に滋賀県大津市で発生した園児ら16人を巻き込んだ交通事故を受け、厚木市は市内の市道が交わる交差点について、緊急安全点検を実施した。全443カ所のうち、全く車止めが設置されていない場所が187カ所確認。今後、優先順位をつけ、早期に安全対策を図っていく。
大津市の事故は、県道交差点で右折車と直進車が衝突。その弾みで直進車が歩道にいた園児らの列に突っ込んだもの。これを受け厚木市道路維持課は、今月9日から14日にかけて管轄する市道が交わる市内交差点について、緊急点検を行った。
点検が実施されたのは、厚木市道における相互交通車線(2車線)で横断歩道のある交差点(国・県道を含む交差点は除く)。大津市の事故が歩道にいて巻き込まれたことから、歩道への車止めの設置の有無および状況を調べた。
対象となった交差点は443カ所。このうち交差点の四隅に車止めが設置されていたのが167カ所。1〜2カ所の一部設置が89カ所。全く設置されていないのが187カ所だった。
優先順位つけ設置対応
調査結果を受け同課では、すべての交差点について四隅への車止めの設置のほか、形状により車止めの設置が難しい場所や巻き込みが大きいと予想される場所については、ガードレールの設置等を含めた安全対策を講じていくとしている。
一方で予算面の限りもあることから、市こども未来部や市教育委員会学校教育部、さらには警察署とも連携。「通学路等のほか教育・保育施設がそばにあり、特に子どもの利用が多い交差点」「交通量の多い交差点」「事故の多い交差点」の情報を加味しながら、優先順位をつけ、高いところから対応していく。「当初予算の中で優先度の高いところから着手していきたい。また補正予算も視野に入れ、できるだけ早期に多くの交差点に設置していきたい」と同課では話している。
大津市の事故後、市民から市役所に「市内の交差点で危険な場所はないのか」などの問合せが、数件寄せられたという。同課課長は「これまで交差点においては、左折時の巻き込み事故については対策をとってきた。しかし、今回のように事故からの進入は想定していなかった。大津市での事故を教訓にして車止めの設置も早急にしていく必要がある」と話している。
今後、市では国・県道交差点についても関係機関に安全対策を働きかけていくとしている。
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