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不登校や発達に特性のある子どもたちのための通信制学校を全国展開する 日野 公三さん 明蓬館高等学校校長 60歳

公開:2019年5月24日

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日野 公三さん

静かな情熱と使命感携えて

 ○…内閣府認定特区校の全国通信制高校「明蓬館高等学校」を全国に展開する。明蓬館高校の支援センターでもあるSNEC(すねっく、スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)も全国主要都市に開設。昨年11月には厚木市旭町に湘南厚木SNECをリニューアル開校させた。昨年上梓した『発達障害の子どもたちの進路と多様な可能性』の結びでは「神に選ばれ、試練を与えられた”選ばれし人”であると昂然と顔を上げて欲しい」と、特性のある子どもを持つ母親たちにメッセージを贈った。

 ○…大学卒業後、リクルート、神奈川県の第3セクター取締役を経て、1999年に起業。その時39歳。3セク時代に通信事業に携わり、数ある電子会議室の中でも「不登校サロン」に心が動いた。小中高生、保護者が昼夜問わず情報交換をしていた。併せて県教委の仕事にも携わり、米国視察へ。アメリカには不登校生が居ないことに衝撃を受ける。民間のフリースクールやホームスクールが確立していた。そうして日本では未開拓である分野の教育にのめりこんだ。

 ○…最先端のICT技術を用いて教育環境を整えた。現在全校生徒は全国で410人。そのうちSNECには200人が在籍。社会的ニーズは高まる一方だ。今後は家庭的にも金銭的にもより難しい課題を持った生徒たちに手を差し伸べたいと考えている。「新しく認めてもらった学校なので、より困難な社会的課題に向き合いたい」と話す温度は淡々と。そして「誰も手を差し伸べようとしない対象がこんなにいるのに、無為無策でいいのか、見捨てていいのか」と。静かな情熱と使命感に満ちている。――共に生きる新時代・令和が幕を開けた。多様な支援と伴走の精神でこれからも挑戦は続く。

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