▽伊勢神宮の信仰を広めるため、室町時代から続く伊勢拾二座太神楽獅子舞。昨年7月から同保存会の会長を務める。約100年前から実家の嶋本家が受け継ぎ、「厚木太神楽(だいかぐら)」と呼ばれ親しまれてきた。昔は正月から2月にかけ一軒ずつ民家を回り、厄払いや豊作、健康などを願う、正月の風物詩として喜ばれていたという。
▽厚木生まれの厚木育ち。父は牧廼家演芸者、母は義太夫として活躍。自身は14歳で東京へ修行へ行き、『五階茶碗』や『傘回し』などの曲芸を習得した。日本舞踊・藤間流の名取となり、再び厚木へ。23歳のとき蛭間座の蛭間勇氏と結婚。娘のあけみさんが9歳のときに夫が逝去し、自宅で踊りや三味線を教えながら女手一つで娘を育てあげた。「無我夢中でしたね」と笑い飛ばす、苦労を感じさせない口ぶり。
▽獅子舞の前足を演じる者だけに授けられる「木村幸太夫」の21代目だった父・嶋本清友さんが1998年に逝去し、22代目を継承した。「全部難しいが、特に足の運びが難しい。教わるのではなく、父の姿を見て覚えた」という。8年ほど前から娘が23代目を継承し、双子の孫娘(小6)も舞台に立ち芸を受け継ぐ。「父が残してくれた伝統を、これからも残していきたい」と語る。
▽現在は、入谷歌舞伎(座間)・大谷歌舞伎(海老名)で指導するほか、普及活動を行う。1月9日には厚木市寿町にあるおひさまっこ保育園(斎藤美好施設長)で公演を行った。この日は、「下り葉・幣束の舞・鈴の舞・剣の舞・狂い獅子・火男」といった演目を披露=写真下。迫力ある獅子舞に、興味津々の園児、怖がる園児など様々な反応を見せた。終演後には獅子が園児や保育士の頭を噛んで、1年の健康を祈った。
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