厚木市は1月23日に所有者不存在で放置すれば倒壊等の危険性を伴う「特定空き家」に認定した住宅の初の略式代執行に着手。2017年2月に策定した『空き家等対策計画』に基づき進めている、「空き家対策」の現状を聞いた。
全国規模で放置空き家が問題視される中、国は2014年11月に『空家等対策の推進に関する特別措置法』を制定。これをうけ厚木市は『空家等対策計画』を策定した。
この際、市は空き家の実態を把握するために調査を行い755戸の空き家を特定。その所有者にアンケート調査を実施し、状況や意向の分析を計画に盛り込んだ。また、成果指標として、空き家の数がこれ以上増えないように予防することや特定空家を発生させないこと、近隣に迷惑を及ぼす恐れのある管理不全の空き家(205戸)を5年間で25%以上減らすことなどを明記した。
さらに、空き家の解体や取得に対して助成制度を創設。条件を満たせば解体費用の2分の1(上限50万円)、500万円以上の物件取得に対して一律50万円の助成が受けられる。
市住宅課によると、19年11月末現在で把握している空き家の総数は554戸、管理不全の空き家は74戸に減っているという。その要因について同課はまず特措法により組織の連携が図れるようになった点を挙げる。「これまでは個人情報の壁があり、行政の各部署間で所有者等の情報交換ができずにいたが、それが可能になり所有者等にたどり着くのが早くなったことで指導や対応も速やかにできるようになった」と話す。さらに、解体費用の助成を受けたケースが17年度は17件、18年度は12件、19年度は17年度を上回るペースで、その効果も挙げる。市住宅課は「高齢社会を迎え、いつ新たな空き家が発生するか分からない状況は変わらない」と話す。
今回、1月に続き2月にもう1棟の略式代執行にも着手。2棟の解体・撤去費用は約440万円という。市は利害関係人として小田原家裁に財産管理人選任を申し立て、選任された財産管理人がこの2棟の跡地の売却を行い、その収益から市は解体・撤去費用を回収するとしている。
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