愛川町(小野澤豊町長)は2月20日、2020年度の当初予算案を発表した。一般会計は124億7千万円(前年度比0・5%増)で、特別会計等を含めた予算総額は過去2番目の規模で240億5695万円(同3・5%増)。3年連続で地方交付税の不交付団体となる見通しで、予算案は3月2日から始まる町議会3月定例会に上程される。
予算案では、国が進めている全小・中学生1人1台に情報通信端末を整備する「GIGAスクール構想」推進に係わる補正予算(1億1221万円)を19年度に前倒ししており、この金額を加えた実質的な予算総額は過去最大の241億6917万円となる。
歳入については、柱となる町税が昨年度比2・6%(2億21万円)減の74億8595万円。個人町民税はほぼ横ばいだが、税制改正による税率引き下げなどで法人町民税が31・7%減少したことが影響した。
町税収入の減少などにより、町では3年ぶりに財政調整基金を切り崩し、6千万円を財源不足分にあてる。町財政課では「法人町民税が急に大幅な増収になることは難しい。今後も財政運営が厳しくなっていく部分はあると思う」と話す。
中学校給食は9月開始目指す
歳出については、教育・子育て分野をはじめ、健康や防災などに重点を置きながら、東京オリンピック・パラリンピック関連事業や観光・産業連携拠点づくり事業、愛川ブランド推進事業など町内活性化にも取り組む。
児童や保護者から要望の多かった「親子方式による温かい中学校給食の実施」では、1億1346万円を計上し、小学校給食室の改修工事や備品整備等を行い、20年9月からの実施を目指す。
東京オリンピック・パラリンピック関連事業(133万円)では、県内で行われる競技種目の観戦事業や、チケット補助事業、聖火セレモニー開催事業などを行う。さらに、東京オリンピックで新たに競技種目に追加される「スケートボード」を気軽に体験できるように、愛川町初のスケートパークを田代運動公園内に整備する。
愛川町の優れた特産品を認定する愛川ブランド推進事業(179万円)については、現在の認定品の有効期間が20年7月で満了となることから、新たに認定品の選定が行われ、パンフレットの改訂や販売促進、広告宣伝経費等の一部助成が行われる。
安全・安心まちづくり対策事業では、2400万円を計上する。昨年度に好評を得た「自動通話録音機能付電話機等購入費助成金」を引き続き継続するほか、新たに「ドライブレコーダー設置推進事業」を開始。交通事故時の証拠映像や動く防犯カメラとして近年利用者が増えているドライブレコーダーについて、映像の提供に同意して町に登録した人などに購入額の2分の1(上限1万円)を補助する。
防災対策事業(991万円)では、折り畳み式簡易ベッドなど防災資機材の充実を図るほか、「大雨などの時に聞き取りにくい」という声があった防災行政無線について、戸別受信機の有償配布(30台分)も行う。
地域活性化に向けた「まち・ひと・しごと創生」では、引き続き観光・産業連携拠点づくり事業(676万円)に取り組む。予算案によると、20年度は、基本構想や基本計画に基づく利活用方策の具体化に向け、官民連携手法の検討や利活用事業者との調整、住民説明会の開催などを行う予定。
予算案は3月2日(月)の町議会3月定例会で上程される予定で、議会最終日の3月27日(金)に採決される。 2月26日起稿
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