東京農業大学農学部4年の榊谷(さかきたに)隼也さん(21・厚木市戸室在住)が、コロナ禍で市とNPO法人Heart34(みいよ)が運営するフードバンクを利用。「ありがたみ」を痛感し、ボランティアで運営を手伝い恩返しをした。
榊谷さんは、長野県茅野市出身。東京農大厚木キャンパスで野菜の研究などを学んでいる。
榊谷さんによると、自分も含め周りの学生らの多くがアルバイトで生活費を賄っており、「基本的に学生は貧困です」と話す。研究に時間を割くためにアルバイトが厳しくなることも。さらにコロナが追い打ちをかけ、アルバイトもままならなくなる学生も出てきた。
そこで「現状を変えたい」と、市に出向き相談。市がフードバンクの利用を促したため、同事業を行っている事務所を訪れ、食品の提供を受けた。それまでフードバンクの存在を知らなかったが、「すごいうれしかった」と感激。お礼に何かしたいと、その場でボランティアを名乗り出た。
同事務所では、ちょうど5月21日から23日にかけて市民らから寄せられた食品を学生たちに提供することを決めており、22・23日の2日間、事務作業や食品のまとめ、提供等の業務に携わった。
同時にフードバンク事業の仕組みや裏方の苦労、食品を提供してくれる人たちの存在などを知った。「とてもいい体験になりました。体験を通して今回利用した学生には『フードバンクは、学生だから無料でもらえるのではなく、本当に困っている人に提供されるシステムだということは理解してほしい』と思いました。利用する際は感謝の気持ちをもって受け取ってもらいたい」。
「でもきっと次回は、今回利用した学生がたくさんボランティアを名乗り出てくれると思います」と明るく笑った。
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