厚木市立病院(長谷川節院長)では、災害派遣医療チーム(DMAT)の車両を購入するため、8月3日からふるさと納税の制度を利用したクラウドファンディングを開始。680万円の目標に対し、スタートから数日で600万円を超える寄付が集まった。
DMATは、専門的な訓練を受けた医師や看護師などで構成され、大規模災害等の現場で活動できる機動性を持った医療チーム。同院は2013年に神奈川DMAT指定病院に指定され、現在は10人のチームで活動している。
神奈川県からの要請を受けて各地に派遣され、新型コロナウイルス感染症対策ではダイヤモンド・プリンセス号での任務や、陽性患者の搬送調整などに尽力。2015年には鬼怒川氾濫の水害対策にもあたった。
厳しい財政にコロナ禍も
近年の風水害多発化や新型コロナの第2波・第3波などを見据え、DMATの重要性が高まるなか、チームが出動時に使用している乗用車は購入から18年目を迎え、老朽化から車両の更新が必要になっていた。
しかし、地域医療を支える公立病院では不採算の診療科目なども担っているため、以前から経営は余裕のない状況が続いていた。日々進歩する医療現場では、予算は医療機器の更新が優先される。そこに追い打ちをかけるかのようなコロナ禍で、同院も収益が著しく減少。車両更新は後回しの状態だった。
初の試みに予想以上の寄付
同院では、チームが安心して派遣対応できるように、車両の購入資金を得る方法を模索。同院経営管理課の小路隆行課長が市財政課長時代に、ふるさと納税制度を活用した事業の経験があり、同院での実施を考案した。
初の試みとなった今回のクラウドファンディングでは、目標金額は680万円。期間は8月3日から10月30日までで、目標金額を達成次第終了とした。
スタート直後から寄付があり、わずか数日で大台の600万円に到達。小路課長は「初めての取り組みでしたが、多くの皆様にご賛同いただき、8月中旬には目標を達成できる状況です。予想を上回る反応で、本当に感謝しています」と話す。同院では今後、5人乗りの4駆乗用車を購入する予定だという。小路課長は「今回のクラウドファンディングで、DMATの活動を全国の皆様に知っていただけたと思います。これからも、しっかりと地域医療や災害対応に努めていきたい」と話す。〈8月11日起稿〉
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