厚木市立病院(長谷川節院長)は、老朽化したDMAT(ディーマット/災害派遣医療チーム)の車両をクラウドファンディングを活用してリニューアルした。車両デザイン、ラッピングは、地元の日産自動車(株)テクニカルセンター(NTC)が無償で協力。3月24日のセレモニーでお披露目された。
厚木市立病院の、DMAT専用車両は購入から18年が経過。安全に走行できていたこと、市立病院の厳しい経営状況の中で医療機器の更新を優先していたことなどを理由に、これまで車両の買い替えは先送りになっていた。
DMATは2015年に鬼怒川が氾濫した際に、現地へ出動したが以降は出動の機会がなかった。ところが昨年、ダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウイルスの集団感染の際に、県の要請で出動すると、コロナ関連でこれまでに12回の出動があり、「一刻も早い車両の更新が必要と判断した」と市立病院の担当者は話す。
財政難のなかで、資金の調達はクラウドファンディングを採用。昨年の8月3日から10月30日までに16人の協力で691万2000円を調達し、車両のリニューアルができることとなった。
活動する姿に感銘
車両リニューアルの際に、市では地域貢献活動に積極的に取り組んでいるNTCに支援を依頼。同社は今回の取り組みに賛同し、車両へのラッピングデザインで支援することとなった。
NTCでは、社内でプロポーザルを実施。8人から合計17のデザイン案が提案され、市立病院の選考によりデジタルモデラ―の鳥居秀生さんのデザインが採用された。
鳥居さんのデザインは赤十字を中心に配置し、ボディの前後を強いコントラストで色分け。いち早く災害現場に駆け付けるスピード感と力強さ、信頼感を表現している。鳥居さんは、「災害発生時には身を挺して活動する姿に深く感銘を受け、日本一カッコいいDMAT車両に乗っていただきたいという想いでデザインした」と説明する。
3月24日に行われたセレモニーでは、新車両のお披露目が行われた。あいさつに立った長谷川院長は、「日本で一番カッコいいデザインのDMAT車両。車に恥じないよう、これからも活動していきたい」と感謝した。また、同社の川副正教R&D総務・企画統括部長は「デザインが隊員のモチベーションになれば。災害は起こってほしくないが、起きた際にはこの車両で救助に向かってもらいたい」と話した。
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