▽厚木市寿町のカフェバー「Bar HATIS」を営む傍ら、オリジナルコーヒーブランド「HATIS COFFEE」を手掛けるなど、自身が持つ知識や技術、経験を生かしたさまざまなアイデアや新しい価値観を生み出し続けているバーテンダー・永山智仁さん(41)。9月15日から、伊勢丹新宿店で自ら考案したノンアルコールカクテルを提供するイベントを開催している。
▽高校を卒業後、洋服の専門学校に通いながら、都内の高級ホテルのレストランやバーラウンジでバーテンダーとしてのキャリアをスタート。職人気質の厳しい世界で、ワインや洋酒といったお酒や、それに合う料理、サービスを学び、技術や心構えを身に付けた。しかし、ハードワークがたたり、体を壊してしまい、転職。IT通信関連企業に就職した。しかしまたも帰宅できず、ホテル住まいをするほどのハードな日々を送ることに。営業成績も給料も右肩上がりだったが、「無味乾燥な毎日だった」。そんな中、再び体を壊したことを契機に、自身の現状や今後の人生を見つめ直し、再度バーテンダーの道に進むことを決意。2010年に「Bar HATIS」を立ち上げた。「20代はまさに修行だった。でもすごく良い経験ができた」と振り返り、「20代の経験があるからこそ、今の自分がある」と話す。
▽バーテンダーは、お店を構え、訪れたお客さんをもてなすのが基本だが、永山さんは、サラリーマン時代の経験を活かし、積極的に外に出ていくスタイルも併せ持つ。今回の伊勢丹新宿店での催事では、甘酒とコーヒーを掛け合わせた新感覚のカクテルを考案。コロナ禍の時代にあわせて、レシピも提供し、自宅で再現してもらうところまで想定したイベント内容を自ら企画し、伊勢丹側にプレゼン。実現にこぎつけた。サラリーマン時代に身に付けた企画力、営業力、交渉力を存分に発揮した。
▽東日本大震災をきっかけに「もしまた同じようなことが身近で起きたらお店だけでは立ち行かなくなってしまう」と、お店で人気だったコーヒーを商品・ブランド化して以来、コーヒーは永山さんの数ある武器の一つになっている。「自分のコーヒーが厚木に来るきっかけになればいいなと。今度は、コーヒー鑑定士の資格を取ろうと思っています」
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