厚木市が新たなコミュニティ交通の取り組みとして毛利台地域で「デマンドタクシーチケット制度」の実証実験を行っている。モニターにチケットを配布しタクシー料金を補助する仕組みで、利用者の声を踏まえて効果を検証する。期間は2月28日(月)まで。
実証実験の対象である毛利台地域は、住宅団地の造成から40年以上が経過し、居住者の高齢化が進んでいる。市では、2021年9月に同地域で交通に関するアンケートを実施した。
この結果、高齢者では運転に自信がない人がいることや、既に運転免許を返納している人がいることなどから、実証実験の対象者を75歳以上とした。また、高低差のある地形のなか、日常の買い物をする店舗が点在していることや、道幅などの道路環境も加味し、固定した運行ルートでのジャンボタクシーやマイクロバスではなく、既存のタクシーを活用した。
利用者から「ありがたい」
現在行われている実証実験には、モニターとして47人が参加している。
1人につき8枚のチケットが配布され、市が指定している事業者のタクシーを使用する際に1回の乗車で400円引きになる。
利用時間は午前9時から午後4時までで、乗車か降車のどちらかが毛利台地域内である必要がある。なお、乗り合いで2人乗車する場合はチケットが2枚使用できるため、800円引きとなる。市ではコミュニティ交通導入検討事業費として今年度269万4千円の予算を計上している。
担当の市都市計画課によると、買い物や通院などで利用する人も多く、モニターからは「タクシー料金が安くなってありがたい」という声が寄せられているという。同課では「タクシーを身近に使っていただけたらと思います。実験後はモニターのご意見を聞き、次年度以降も取り組んでいけたら」と話す。
誰もが快適に移動できるためにコミュニティ交通の運行に取り組んでおり、昨年荻野地区でジャンボタクシーによるコミュニティ交通「ココモ」の運行を開始し、利用者も増加傾向にあるという。同課では「バス路線網と地域に合ったコミュニティ交通などを組み合わせ、交通の利便性を向上していきたい」と話す。
![]() 実証実験のタクシーチケット
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