ふぐの処理・調理技術を競う「第1回全日本ふぐ調理技術大会」が6月13日に横浜市内の飲食店の調理場で行われ、厚木市中町の和食料理店「和彩 旬の郷」代表取締役の矢野賢造さん(58)が、調理部門で最高位となる農林水産大臣表彰に輝いた。同大会は今回が初の開催で、(一社)新日本調理師会(小山正武会長)主催、農林水産省後援。
今年から有毒部位を除去した身欠きふぐを取り扱う際に必要だった保健所への届け出が撤廃されたという。しかし、特異な生態を持つふぐを容易に調理する技術や知識はまだ広く知られていないため、ふぐ食への関心と身欠きふぐの普及拡大につなげるきっかけにしようと大会は行われた。
「これからも腕を磨く」
大会には、東北から中国地方の7府県の調理師会団体から選抜された代表の8人が出場した。競技は「処理」と「調理」の2部門。矢野さんが農林水産大臣表彰に輝いた調理部門では、刺身の「てっさ」と鍋の「てっちり」を調理。刺身は薄く均一に切られているかなどが評価の対象となり、鍋は具材の盛り付けが問われた。
矢野さんの刺身は見事に均一な薄さで、鍋は見た目の華やかさが高評価につながった。矢野さんは「お客様に出す時と同じ気持ちで臨んだ。名誉な賞を頂きとてもうれしい。この大会をきっかけにふぐ料理の普及につながるとともに、これからも腕を磨き、お客様に喜んでもらえる美味しい料理を出せるように精進していく」と話した。
矢野さんは福岡県出身。高校を中退し、地元のふぐ料理などを出す店で住み込みで働いた。さらなる料理技術を学びたいと20歳の時、東京に来て銀座や赤坂の店で修行。そこから赤坂プリンスホテル、新横浜プリンスホテルの調理場で働き、39歳で同ホテルの和食料理長に就いた。
その後、和食を身近な料理として気軽に味わってほしいという思いから2013年11月、厚木に同店をオープン。生涯現役をポリシーに、変わらず調理場に立つほか、講習会の講師を務めるなど、料理人育成にも力を注ぐ。
なお、処理部門では山口県からの出場者が優勝した。
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