ハープの演奏を通じてウクライナの子どもたちを支援している 西田 由花里さん 厚木市みはる野在住 61歳
まぶしい表現者
○…本厚木駅北口でハープ演奏や「手話ソング」を披露し、仲間と募った寄付金でウクライナの子どもを支援している。心を洗う音色に足をとめる人、温かいものを差し入れてくれた人も。「ずっとウルウルでした」と満面の笑み。ハープの教室に通い始めたのは3年前。肩にあてて弾くと、音が体に響いてくる。「簡単かな」という先入観は、間もなく「とんでもない」に変わった。ネットで調べて独学し、カサカサでタコができた手が苦労を物語る。
○…東京の葛飾生まれで生粋の下町っ子。子育てはご近所一丸な雰囲気で、誰かの家でご飯を頂くのもごく普通だった。母が家事をしながら口ずさむ歌と、テレビの歌謡番組を聞いて育ち、小学校の文集には「歌を歌う人になる」と決意。中学生で芸能事務所に所属、朝ドラなどにも出演した。高校卒業後は舞台の世界を志し、その後渋谷のイベント会社に入り、歌とダンスのステージに立ち始めた。当時は練習すればするほど伸びる手ごたえがあった。ターンの回転数も増え、ダンス動画を見ればコピーするように踊れる。以後何年も照明を浴び続けた。楽しかった踊りが「楽しめなくなった」と感じ、舞台を降りたのは25年後。
○…「悔いなく生きるのは難しい。やり残した、という人生でいいのかな」。50歳を過ぎて厚木に移住してからは、自治会活動や家事に没頭、現在は荻野運動公園や公民館でボディケアやダンスエクササイズの講師を務めている。明るい髪の理由を聞くと「街を歩く多くの人に気づいてほしいから。法事で目立つけど…」。一期一会を座右の銘に、会った人とは存分に話す。取材中も前のめりで、身振り手振りを交えた語り口。けっして燃え尽きない、お日様のようだ。
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