三川合流点付近にある厚木市営プールが8月31日、60年の歴史にピリオドを打つ。東京五輪前年の1963年に開場して以来、多くの市民に親しまれてきたが、施設老朽化のため閉鎖が決まった。
市営プールが誕生した60年前の市広報には「夏を楽しく 待望の市営プール完成」という見出しが残る。総工費950万円で施工された25mプールと幼児用プールは今もそのまま。建設のきっかけは定かではないが、当時の広報には「相模川水系は砂利採取跡の穴で危険でありますので、子どもたちに絶対川で泳がせないように、安心して楽しめる場所として開場しました」とある。
1985年には幼児プールの周りを三色に塗装し、観戦スタンドや日よけを設置するなどリニューアルもあった。オープン当初は夏シーズンに約3万人が来場していた。
その後、小学校のプールや荻野運動公園の屋内プールなどもオープン、93年ごろからは1万人程度と往時の賑わいはなくなったものの、市内小中学生は無料とあって、長く親しまれてきた。厚木市水泳協会の水泳教室も開かれ「ここで泳げるようになった」という人も多い。
水泳協会の渡辺多恵子会長は「プールの水が地下水で冷たかったけれど、和気あいあいとした大会の思い出は沢山」と振り返る。利用者からは「親子二代で通った」「学校で配られる券を握りしめて行った」「プールから出た後に食べる自販機アイスが美味しかった」などの声も。
プールは相模川や中津川、小鮎川の3河川の合流点にあり、廃止後は隣接の野球場を含めこの一帯を「水辺のふれあい拠点」として多目的広場に整備する構想がある。
廃止されるプールがある一方で今年12月にオープンの「ふれあいプラザ」(金田)には屋内プールが開所する。環境センターの余熱を利用した施設で、以前も同様の施設があった。25mプールや幼児プール、流れるプールやジャグジーなども備える予定。
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