厚木市松枝の船喜多神社で9月16日に例大祭が行われ、5年ぶりに山車がお目見えした。高さは約5m、馬車のような車輪に柱や屋根が組み上げられ、頂上には髭を生やし剣を握った人形が乗っている独特な外観だ。
人形は、魔よけや学業成就の神とされる鍾馗(しょうき)、もしくはスサノオノミコト、神武天皇ではないかという声もある。正面についてある棟飾りは、職人技を感じさせる一枚板を彫り上げたもの。元々は寒川の宮山地域で使われていた「花車」を、人形3体、太鼓などとともに1910年(明治43年)に当時の60円で買い取ったとされている。建造年は定かではないが当時の証書の年月から100年以上前にさかのぼりそうだ。
昔は牛が引いた
今は山車を境内から動かすことはできないが、昔は街を巡っていた。元町自治会の棗(なつめ)進会長(76)は「私が子どもの頃はこの山車を1頭の牛が引き、額に白粉を塗られた子どもたちが周りで紐を引いて練り歩いた。牛が糞を撒き散らして掃除が大変だった」と懐かしむ。戦時中に中止されて戦後13年目に再開、以前は厚木神社や本厚木駅南口方面交差点まで南下し、電線を棒で持ち上げて通り抜け、小田急のガードにぶつからないよう上部を分解してくぐっていた。
ここ数年間は天候不順などで実施できず、コロナ禍にも阻まれた。それでも「伝えたい」という関係者の強い思いで再び山車は姿を現した。普段は山車用の倉庫に入れられており、半日かけて準備する。設計図のようなものはない。再開まで年月が経っていたこともあり、今回若手と組み立てができたのは貴重だったという。
提灯が光る山車の隣では山口貴裕市長が挨拶し「心のよりどころで、小さい頃は遊び場だった。昔ながらの祭礼は感慨深い」と話していた。
![]() 当日は子ども神輿も街を巡った
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![]() 80年代の山車の様子(関係者所蔵)
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