大山に本格的な夏の登山シーズンが到来し、観光客だけでなく、白装束などを身にまとった「講社」と呼ばれる人々でにぎわいを見せている。
大山で夏山と呼ばれるのは7月27日から8月17日までの期間。これは、かつて大山の山頂へ続く登拝門が、夏山期間である7月27日から8月17日以外は固く閉ざされていたことに由来するもの。7月27日から31日を初山、8月1日から7日を七日堂、8日から12日を間の山、13日から17日を盆山と呼び、この期間以外は山頂への登拝は禁止され、女人禁制でもあったという。その後、1965年に大山が国定公園に指定された、年間を通して登山ができるようになった。いまもその名残で、夏山期間以外、登拝門は半分が閉ざされた状態となっている。
夏山開き
伊勢原市の大山阿夫利神社下社では、登拝門の鍵を開け、夏山登山の開始を告げる伝統行事「夏山開き」が7月27日に行われた。この登拝門の鍵は、江戸元禄年間から東京日本橋の「お花講」が保管し、開門の神事を続けている。
当日はお花講54人が参加。神職によるお祓いを受けた後に門の鍵を開け、「さんげ、さんげ、六根清浄」と唱えながら石段を一歩一歩登っていった。
1997年からお花講の講元を務める大野泰昭さん(72)はこれまでに約50回の夏山開きに参加してきた。大野さんは「笑顔と元気を大事にしたい。大山の講も高齢化してきているがこの伝統を絶やさないよう、次の世代をしっかり育てていきたい」と語った。同神社の目黒仁宮司は「300年来の大山詣りの伝統継承に今後もお力添えをいただきたい」と感謝の言葉を述べた
夏山期間は明日17日(土)まで。
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