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厚木市で活動する手話サークル「あゆの会」の会長を務めている 吉野 加代子さん 厚木市金田在住 71歳

公開:2024年9月20日

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吉野 加代子さん

手話で心をつなぐ

 ○…手話を学ぶ市内最大のサークル団体「あゆの会」の会長を務め、手話の使い方や聴覚障害者への理解推進を目的に活動している。「好きな手話は『ありがとう』と『一緒に何かしよう』」と、優しい言葉と手つきで手話を披露し「自分の手話で会話ができた時が一番うれしい」と相好を崩す。9月23日の「手話言語の国際デー」を前に、「手話に関心を持つ人が増え、助け合いの輪が広がれば」と願う。

 ○…子育てが一段落した50歳を過ぎたころ、市の広報で手話の講座を知り受講した。初めは自分の手話に自信が持てず、「ろう者と会話するのが怖かった」と回顧する。それでも、相手に手話が通じたときの喜びが向上心につながった。「聴覚障害は気づかれにくく、『見えない障害』ともいわれる。周囲の支えが大切だと感じます」と、サークル活動の意義を力強く語る。

 ○…会長としてまとめ役や事務作業などを担う多忙な日々の中でも、趣味のピアノに向き合う時間を大切にしている。「『乙女の祈り』を弾きたくて」と、手話と同時期に50の手習いで始め、今も教室に通う。「会員に知られるのは恥ずかしいな」と笑うが、指を使って表現するピアノ演奏は「手話と似ているかもしれませんね」とうなずく。

 ○…子どもたちに手話を身近に感じてもらおうと、小中学校や幼稚園で行う体験教室も会の恒例行事。「若い人たちの間では新しい手話も生まれているんです」と、手話も言葉のように時代と共に変化を続けている。それでも変わらないのは「伝えるよりも聞くこと。出しゃばらず、相手のペースに合わせることが大切」。共生社会の実現に向け、人と人との心をつなぐ手話の役割を伝えていく。

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