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衆院選神奈川16区 後藤氏が初の連続当選 自民、15年ぶり議席失う

政治

公開:2024年11月1日

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当選が決まり万歳する後藤氏
当選が決まり万歳する後藤氏

 第50回衆議院議員総選挙が10月27日に投開票され、区割り変更で新たな選挙区となった神奈川16区(厚木市、海老名市、伊勢原市)は、立憲民主党前職の後藤祐一氏(55)が10万677票を集めて6選を果たした。2021年の前回選挙で比例当選した自民党前職の義家弘介氏(53)は、後藤氏に3万票以上の大差をつけられて落選。自民党は09年の政権交代以降初めて、厚木市と伊勢原市で議席を失った。

 後藤氏と義家氏の一騎打ちとなった前回から一転、日本維新の会の新人・伊左次美江氏(63)、日本共産党の新人・山本瑞恵氏(57)、無所属新人の吉村勝男氏(69)を含む5人の争いとなった。

 後藤氏は物価高対策をはじめ、党が掲げた防衛費削減による教育無償化、非正規労働者の正社員登用などの雇用対策に取り組む姿勢を強調。選挙戦の争点となった「政治とカネ」問題には、政策活動費や企業団体献金の禁止を訴えたほか、世襲廃止を掲げて政治の健全化を有権者に呼び掛け支持を広げた。

 義家氏は、派閥の政治資金パーティーをめぐる収支報告書への不記載問題を受け、比例重複立候補が認められず小選挙区のみでの選挙戦を強いられた。河野太郎氏や小泉進次郎氏なども選挙区入りしたが、前回より4万7千票近く票を減らすなど、政権や自らに対する逆風をはねのけられなかった。

「総合力の結果」

 厚木市内の後藤事務所には開票30分前から40人ほどの支援者が集まり、開票結果を見守った。

 午後8時3分に当選確実が報じられると、事務所内は大きな歓声に包まれた。拍手で迎えられた後藤氏は「裏金問題を中心とする追い風もあった」としつつ、「この3年間で取り組んできた物価高対策の実績、立憲民主党政権だったらできるという内容を皆さまが伝えてくれた。総合力の結果」とあいさつした。

 16区ではこれまで義家氏と接戦を繰り広げてきたが、「負け勝ち負け勝ち負け勝ちときた小選挙区で、ようやく連勝できた。立憲民主党が伝えてきた分厚い中間層を作る政策を理解いただいた」と手応えをにじませた。

「大きな大きな重し」

 同市内の義家事務所は、開票が始まっても支援者の数はまばらだった。

 早々に落選が濃厚となり、8時20分すぎに姿を見せた義家氏。冒頭に関係者に感謝の言葉を述べ、「皆さまに重層的に支えていただきながら、ドブ板戦を展開してきた」と振り返った。

 「政治とカネ」問題による批判の矢面に立った選挙戦だった。義家氏は「(裏金問題が)大きな大きな重しとしてのしかかり続けた。退路を断った戦いを続けてきたが、私の力不足に尽きる」と肩を落とした。今後については「今は心の整理ができていない。自らがどのような判断をしなければいけないのか、皆さまにしっかりと相談したうえで決断したい」と述べるにとどまった。

投票率前回下回る

 16区の投票率は53・27%で、前回を2・08ポイント下回った。厚木市は51・01%(3・17ポイント減)、海老名市が57・06%(3・37ポイント減)、伊勢原市が52・99%(4・73ポイント減)だった。

14区赤間氏、接戦制し6選長友氏は比例で初議席

 神奈川14区(相模原市中央区・同緑区・愛川町・清川村)は、小選挙区で自由民主党の前職・赤間二郎氏(56)が6度目の当選を決めた。立憲民主党の新人・長友克洋氏(53)は重複立候補した比例区で復活当選した。

 2022年に区割り改定法が施行され、新たな区割りで初の戦いとなった今回の衆院戦。6期目を目指す自民党の前職に4人の新人が挑んだ。

 「政治とカネ」の問題が尾を引く中での選挙戦は、最終盤まで赤間氏と長友氏が激しい戦いを繰り広げた。選挙戦最終日の26日には自民党の小泉進次郎選挙対策委員長が選挙区入りし、「赤間さんは自分がやりたいことをやる人ではない。地域のために自分のことを使えるかを考える人だ。お力を貸してもらいたい。赤間二郎を勝たせてもらいたい」などと訴えた。

笑顔なき当選

 午後10時過ぎに支援者らが事務所に集まり始め、テレビで開票速報を見守った。日付が変わった28日の午前0時40分に当選確実の知らせが届くと、大きな拍手が湧き起こった。

 事務所に到着すると支援者と力強く握手を交わし合った赤間氏は、「強い向かい風を感じていた。自民党に対する厳しいお叱りを受けた。党の再起動の先頭に立つ所存で決意と覚悟をもって働いていく。初心に立って一生懸命働いていきたい」。笑顔なく話す姿に、今回の選挙戦の厳しさと覚悟がにじんだ。

比例復活に支援者涙

 小選挙区で敗戦した長友陣営に吉報が届いたのは、28日午前1時30分過ぎ。事務所内のテレビが比例区での当選確実を報じると歓声が上がり、涙を流す支援者の姿も見られた。

 長友氏は「3年前の落選から今日に至るまで多くの皆さんに支えていただいた。選挙区は結果を出せなかったが、皆さんが比例も頼むと言っていただいた力のおかげでぎりぎり滑り込むことができた。しっかり仕事をしていきたい」とあいさつした。

 結果は赤間氏が8万1428票、長友氏が7万4238票を獲得した。日本維新の会の熊坂崇徳氏(42)は1万9764票、参政党の先沖仁志氏(48)は1万5090票、日本共産党の中村圭氏(44)は1万4930票。投票率は選挙区全体で52・50%だった。

支援者にあいさつする義家氏
支援者にあいさつする義家氏
後藤氏が初の連続当選-画像3 支援者らと万歳する赤間氏(中央)
支援者らと万歳する赤間氏(中央)
後藤氏が初の連続当選-画像5

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