道案内や機器の操作方法など、認知症の人が外出先などで支援を求めたいとき、要望を記入したカードを提示して相手に知らせる「ヘルプカード」を厚木市が11月15日から配布する。認知症者の社会参加を後押しするだけでなく、症状に対する周囲の理解にもつなげる。
ヘルプカードは、市地域包括ケア推進課による事業の一環で4月から配布に向けた準備を進めてきた。23年度に開催した認知症に関する講演で、若年性認知症当事者の丹野智文さんが語った体験談がきっかけという。
カードの表面には、「ちょっとご協力をお願いします。私は認知症です」というメッセージが記載されている。裏面の上段には「家への帰り道を教えてください」「この操作を教えてください」など、相手に依頼したいことを記入し、下段には「目印は〇〇です」「セルフレジで支払いしたいです」と具体的な支援内容を書いて携帯。必要に応じて提示する。
正式には「希望をかなえるヘルプカード」と名づけられているこのカードは、21年から認知症介護研究・研修東京センターが導入を推奨している。言葉が出にくい人でも必要事項を伝えられることなどが、当事者の支えになるという。
周囲の理解必要
ヘルプカードには、障害のある人などが携帯する赤地に白十字のものもあるが、希望をかなえるヘルプカードは本人がどうしたいかを尊重し、自身が希望したタイミングでカードを提示する特徴がある。そのため、周囲の理解や協力が必要とされる場面も多い。
同課の職員は「認知症の人にカードの存在を知ってもらうだけでなく、地域の方々が事前に知っておくだけでも心強い。街なかで提示された時には、手を差し伸べてもらえたら」と呼び掛けている。
カードは、市役所第二庁舎5階の同課窓口で無料配布し、市ホームページからもダウンロードできる。対象者の制限はない。今後は市内の地域包括支援センターでも配布を予定している。
(問)同課【電話】046・225・2388
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