厚木王子高校弓道部が、12月25日から27日に三重県で開催される第43回全国高校弓道選抜大会に女子団体、個人の2部門で出場を決めた。学校統合前に厚木東高校として出場以来、3年ぶりの全国。つわもの揃いの大舞台を控え、部員らは予選通過を目標に稽古に励んでいる。
女子団体は、同校弓道場で行われた神奈川大会団体兼全国・関東選抜大会県予選会の決勝で、2位の厚木高校を1射差で上回り優勝。厚木東時代の2021年以来、3年ぶりとなる全国出場を果たした。
メンバーは曽根向日葵さん(2年・上荻野)、関日葵さん(1年・小田原市)、川詩葉さん(2年・川崎市)、控えの大畑詩織さん(2年・妻田)の4人。
曽根さんは「夏休みから的中率が落ちて悩んでいたけれど、先生や仲間にサポートしてもらって調整してきた」と本調子を取り戻して大会に臨んだ。1年生ながら決勝で一番手の大前を任された関さんは、「うまく射が定まらなかった部分を、先輩たちが挽回してくれた」と安どの表情を浮かべた。
決勝で最後の一射を部長の川さんが的中させたことで、激戦を制した厚木王子。川さんは「勝ちたいという一心だった」と大会を振り返り、大畑さんも「チームを盛り立てたかった」と、仲間の一射一射を祈るような気持ちで見守った。
挑戦者として
袴姿で弓を射る姿に憧れ、全員が高校から競技を始めた。運動歴はバレーボールやバスケットボール、新体操、フラダンスとさまざまだが、体幹や精神面の強さがものをいう弓道にも生かされているという。
全国大会では予選通過を目標に、「失うものはないので、チャレンジャーとして強豪相手に戦いたい」(曽根さん)、「自分の矢と向き合いながら、目の前の一本に集中したい」(川さん)と意気込んだ。
「射法八節」に磨き
浦野真緒さん(2年・座間)は、個人の部で2位に入り全国の切符をつかんだ。予選は風邪気味で体調に不安を残しながらの競技となったが、「いつもより自分の世界に入ることができた」。決勝では、2位同士で並んだ選手の順位を決める「射詰」を制した。
弓道の基本動作を指す「射法八節」のうち、弓を引いた状態で静止し矢を放つ機会を待つ「会」の動作を突き詰めたいという浦野さん。「自分がこうすると決めたものをしっかりと準備して、満足できる結果を残せたら」と高みを目指す
男子団体は関東へ
男子団体は決勝で2位に入り、女子団体と共に11月23日(土)・24日(日)に行われる関東高校弓道選抜大会に出場する。
6月の関東大会では1射差で9位となり入賞を逃した。雪辱を期す大会に、多賀優作さん(2年・綾瀬)は「上位を狙うには的中率7割5分を超えないと」とハードルを科し、橋爪航青さん(同・横浜市)は「緊張で体が震えることもあるけれど、予選は会場が王子高校だったのでリラックスできた。関東でも平常心で臨みたい」と本番を見据えている。
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