毎年12月11日から20日は「年末の交通事故防止運動期間」として、交通安全に向けたさまざまな取り組みが行われる。今年のスローガンは「今日もまた あなたの無事故 待つ家族」。県下での交通事故は減少傾向にあり、厚木警察署管内でも事故件数、死亡事故ともに昨年同時期と比べて減少している。管内の事故傾向や対策のほか、11月1日からの道路交通法改正で新たに施行された自転車運転に関する罰則ついて、同署に話を聞いた。
管内事故、昨年比40件減
神奈川県内で今年発生した人身交通事故件数(12月1日現在)は1万8739件で、前年同時期に比べ1091件減少。交通事故の死者数も8人減って96人だった。
愛川町で減少目立つ
厚木警察署管内(厚木市・愛川町・清川村)では626件の事故が発生し、前年同期比で40件の減少となった。負傷者は60人減って707人。死者数は3人(1人減)だった。
中でも愛川町では、事故件数が前年の91件から約36%減となる58件、負傷者数も104件から63件と減少が目立った。
管内全域で事故が減少した理由について、横田和道署長は「管内の安全運転管理者会や交通安全協会の皆さまを始め、地域ボランティアの皆さまが交通安全運動に積極的に取り組んでくれていることが非常に大きい」と話した。
「ながら運転」厳罰強化へ
自転車を運転しながらスマートフォンを操作する、いわゆる「ながら運転」などの危険運転が全国で相次ぐ中、11月1日からは道路交通法の改正によって自転車運転にかかる「ながら運転」や「酒気帯び運転」の罰則が強化された。
従来は「是正指導」で済んでいたものが、ながら運転の違反者には「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」が科され、事故などを起こした場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。酒気帯び運転は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」。酒を提供した飲食店や同乗者も、懲役や罰金の対象となる。
ペダル付き原動機付自転車(モペット)の運転については、一般原動機付自転車と同じ扱いとなることが明文化された。
同署交通課では「ルールを守り、安全運転を心がけてもらえたら」と注意を呼びかけている。
一人一人の意識を
厚木警察署や各団体では、交通事故ゼロを目指して今後も啓発に取り組んでいく。
12月7日(土)には、市民総ぐるみで交通事故防止運動に取り組み、市民一人一人が交通安全の担い手となることを目指して「厚木市交通安全市民総ぐるみ大会」が市保健福祉センターで開かれる。
13日(金)には、飲食店に車で来店して飲酒する際、お酒を飲まずに仲間を送る人を決めておく「ハンドルキーパー運動」も実施される。厚木警察署や管内の交通安全協会、青少年交通安全連絡協議会、市くらし交通安全課などが本厚木駅北口周辺の飲食店を巡回し、運動への協力を呼びかける予定だ。
さまざまな啓発活動に取り組む交通安全協会の笹生準一会長は、「交通安全指導員をはじめ、多くの方のご協力をいただいている。12月は特に飲酒運転根絶のための運動に力を入れているが、大事故につながっていないだけで飲酒運転をするドライバーはいるので啓発を強化したい」と話した。
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