2025年の幕開けにあたり、本紙では山口貴裕厚木市長にインタビューを行った。山口市長は、相次ぐ自然災害への備えや激化する都市間競争に向けた子育て・高齢者福祉施策、県央観光の起爆剤としての期待が寄せられる「県央やまなみ協議会」5市町村の広域連携観光、市庁舎移転後の跡地利用などについて展望を語った。
(聞き手/本紙編集長 勝浦勝)
――市長就任から3年目を迎えようとしています。
就任以来、厚木の持つ魅力やポテンシャルを最大限に引き出し、全国、全世界から憧れを抱かれ、市民の皆さま一人一人が「ふるさと厚木」に誇りを感じられる、「あつぎ愛」に満ちあふれたまちづくりに取り組んできました。
小中学校の給食費無償化や18歳までの医療費無償化などの事業を通じて、誰もが安心して子育てができる環境の充実につなげていきたいと考えています。
――新年度予算編成が大詰めを迎えています。
2025年度の当初予算は、私が就任して2回目の予算編成になります。本市の魅力をより一層推進するとともに、課題などを解決できるように予算へ反映させたいと考えています。
昨年10月に開催した予算編成説明会で、私は職員を前に、米国メジャーリーグベースボールのオークランド・アスレチックスの事例を紹介し、これまでの手法に固執することなく、新しい考え方を取り入れた柔軟なアプローチで取り組むよう職員に指示し、市民の皆さまの期待に応える予算編成となるよう取り組んでいるところです。
本市の財政状況については、歳入は市内企業の業績が堅調に推移していることなどから市税などの増収を見込んでいるものの、過度な円安による物価高騰などの影響により歳出増も見込まれています。
このような状況下で、本市が将来にわたって魅力あるまちであり続けるため、本市の可能性を掘り起こし、磨き上げていく「魅力あふれる厚木創造プロジェクト」を柱として、施策横断的に予算編成をしているところです。
市制70周年、記念事業続々災害対策にも力 ――具体的には。
周辺自治体である秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村との都市間連携による観光振興や高規格道路の整備促進など、多様な分野での行政間の垣根を越えた取り組みや、「子育て・教育で選ばれるまち」「災害から命と暮らしを守り抜くまち」など10のビジョンの実現に向け、取り組みを着実に進めていきます。
子育て・教育で選ばれるまちの実現に向けては、こども・若者が幸せに暮らせる社会の実現に向けた施策に取り組む「厚木市こども・若者みらい計画」の策定を進めています。この計画に基づき、子どもたちが健やかに成長できるように、ライフステージに応じた切れ目のない支援の提供に努めていきます。
子どもたちの実りある学習に向けては、小中学校のGIGAスクール端末を活用した一人一人の習熟度に合わせた個別最適な学びを提供し、子どもたちが持つ可能性を伸ばす教育環境の整備に向け、準備を進めていきます。
自助、共助、公助3本柱の強化推進
――能登半島地震から1年が経過し、昨年8月には厚木市でも震度5弱を観測する強い地震がありました。10月には台風10号による被害も相次ぐなど、災害対策は喫緊の課題です。
能登半島地震で犠牲になられた皆さま、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、いまだ避難生活を送られている皆さまに心からお見舞い申し上げます。
本市における震度5弱の地震や台風10号による被害を受け、災害はいつ起きてもおかしくない状況であり、そのためには事前の備えが大切であると痛感しました。本市でも災害に対する備えを進めていますが、この教訓を生かし、避難所機能を強化するなど更なる防災・減災対策を進めていきます。
自然災害から大切な命を守るためには、自分自身や家族の安全を守るために日頃から備えを行う「自助」、近隣住民や自主防災隊など、地域で助け合う「共助」、行政による災害対策である「公助」、この3つの柱をバランスよく強化することが重要です。市民の命と暮らしを守る、という強い覚悟をもって、災害に強いまちづくりを推進していきたいと思います。
昨年10月には、都心南部直下地震の影響が少ないとされる山梨県北杜市と災害時の相互応援に関する協定を締結しました。災害発生時、被害に応じて食料や生活必需品、資機材の提供、職員の派遣などの協力を相互にするというもので、防災姉妹都市協定は1996年7月に結んだ埼玉県狭山市に続き2例目となります。
今後も防災における自治体との協力関係を構築し、災害に備えた体制を万全にしていきたいと考えています。
広域観光の実現と行政課題の解決へ
――「県央やまなみ地域(厚木市、秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村)」における広域連携の強化に関する協定から1年が経ちました。今後の展望は。
5市町村を広域的な一つの行政圏域として捉え、それぞれの地域の特性を踏まえながら、広域連携によるメリットを生かしたまちづくりを進めているところです。
昨年7月には、会の名称を「広域行政連絡会」から「県央やまなみ協議会」に改めました。この変更は、地域の名称を明確にし、大山・丹沢・宮ヶ瀬を軸としたエリア一帯のブランド化を図るとともに、本協議会の活動を通じて、エリアとしての発信力を高め、全国からの認知度向上の促進を図るものです。
名称の変更とともに、当該地域を活動拠点とする企業や大学を新たにオブザーバーとしてお招きしました。産学公が新たな形で連携することにより、県央やまなみ地域がこれまで以上に発展し、将来にわたって持続可能な地域となるよう、「強いエリア、魅力あるエリア」の実現に向けて、それぞれが持つ知見やアイデアを結集し取り組んでいくことを申し合わせたところです。
県央やまなみ地域には、大山・丹沢・宮ヶ瀬で連なる豊かな自然を始め、観光資源や歴史、文化など、国内外に誇る恵まれた資源が豊富にあります。これらを将来に向けて守り、また磨き上げるために、広域観光や鳥獣被害対策をはじめ、厚木秦野道路などの整備促進、災害対策、人材育成、農業、環境、スポーツ、文化といったさまざまな分野における行政課題の解決に向け、広域的に取り組んでいきます。
――2025年度に新ごみ中間処理施設が稼働します。
新ごみ中間処理施設は今年12月の稼働に向け、厚木市、愛川町、清川村で構成される厚木愛甲環境施設組合が整備を進めています。
ごみの焼却により発生する熱エネルギーを有効活用できる高効率発電技術の採用や、最新の排ガス処理設備の導入など、循環型社会実現の一翼を担いながら周辺の生活環境保全にも配慮した施設です。
地域の防災拠点となるよう、施設の耐震強化、浸水対策などを施し、災害時における稼働を確保して電力や熱供給などを可能にするとともに、敷地内には災害廃棄物一時保管場所を併設するなど、災害に強い施設にもなっています。
施設内には、ごみ処理の流れを見学しながら環境への配慮やSDGsについて学習できる見学スペースを設け、屋外には多目的に利用できる芝生広場のほか、遊具などが設置されます。環境にやさしい憩いの場を提供できる施設を目指していますので、ぜひ、多くの皆さまにご利用いただきたいと思います。
本庁舎移転後跡地利活用は
――27年度には本庁舎が移転予定です。跡地利用に向けた市の考えは。
新庁舎への移転に伴う本庁舎跡地活用については、今年度、跡地活用の方向性を示す基本方針を策定します。策定に向け、意見交換会やワークショップをはじめ、アンケートやオープンハウスなどの多様な手法を取り入れ、市民の皆さまのご意見をていねいに伺いながら検討を進めています。
本厚木駅周辺のにぎわいや価値の向上に資するよう、厚木中央公園や大手公園などといった周辺施設との一体的な活用を含めた検討を行い、新たな価値の創造に向け、大規模災害時における防災機能の確保など、跡地活用の方向性を示していきたいと思います。
メモリアルイヤー厚木舞台の映画も
――厚木市は今年2月で市制70周年を迎えます。
市制70周年を迎えられることを大変うれしく思っています。
これまで厚木市発展のため、たゆまぬ挑戦を続けてきた70年の歩みと、先人の皆さまが築いてきた業績を振り返り、心に刻む1年にもなるかと思います。
2月1日の記念式典事業を皮切りに、厚木市を舞台にした映画を製作していただくなど、さまざまな記念事業を展開していきます。10年に1度の節目ですので、未来に向けて、市民の皆さまとともに本市の魅力を再認識し、「あつぎ愛」を深められるような1年にしていきたいと考えています。
――未来に向けたまちづくりについては。
本市は、丹沢・大山の大自然に囲まれた雄大な景色や温泉など、魅力あふれる山並みと相模川をはじめとした清流が織りなす「豊かな自然環境」を有しています。また、小田急線本厚木駅、愛甲石田駅の2つの鉄道駅と、東名高速道路や圏央道などの5つのインターチェンジが立地する交通の要衝として発展してきた「都市機能」も有しています。このような「自然と都市機能が調和するまち」を更に推進していきたいと考えています。
市内には5つの大学が立地し、世界に名高い企業など約9400の事業所があり、そこで働く人の数は約15万人に上ります。これは県内有数の規模で、昼間の人口が夜間の人口を上回っている県内で唯一の市でもあります。
このようなポテンシャルを最大限に生かしたまちづくりを展開するため、どうぞ皆さまのお力添えをお願いします。
市民の皆さま方にとって、平和で明るい一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。
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厚木市・愛川町・清川村管轄公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会県央支部は約240社の不動産業者が加盟 |
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公益財団法人 厚木市勤労者福祉サービスセンター現在市内約630事業所 5000人の福利厚生をサポート 046-206-4151 |
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あつぎ飯山花の里春の「ポピー」で「秋のざる菊」で美しい里地里山の景観づくりを https://www.atsugi-kankou.jp/soshiki/ac-kankou/hananosato-poppy-festival.html |
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厚木市書道協会老若男女、誰でもできます。姿勢を整え筆を持つと、心も穏やかに。入会者募集中。 https://atugi-syodo.shopinfo.jp/pages/1597654/page_201801241013 |
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厚木市全国県人会連合会各種諸行事を通じ、第二のふるさと厚木のまちづくりや被災地支援に協力しています https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/shiminkyodosuishinka/index.html |
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厚木合唱連盟今年の第42回厚木合唱祭は7月20日(日)に湘南ユースクワイアを迎えて開催致します。 |
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