高熊歯科の院長を務め、「第76回保健文化賞」を受賞した。 高熊 達朗さん 厚木市飯山在住 67歳
地域の口腔衛生に寄り添う
○…長年の功績が認められ、「第76回保健文化賞」を受けた。今年は34件の応募の中から団体10件と個人4人が受賞。「歯科医師として当然の義務を果たしただけ」と謙そんするが、厚木歯科医師会に所属し、HIV患者の歯科診療体制構築や、障害者向けの口腔保健指導、集団口腔がん検診の実現など、多岐に渡る活動で地域医療に尽力してきた。「患者の悩みを取り除きたい、それだけです」
○…歯科医師になったのは24歳の時。東京の歯科医院で3年間勤務した後、27歳で都内から厚木市飯山に居を移し、高熊歯科を開業した。「自宅でできる仕事が良かったので」と笑うが、その言葉の裏には、地域に根差し、使命感を持って業務に取り組む信念がにじむ。厚木に住んで40年が過ぎ、「当時から自然が豊かなまち。気に入っています」と、変わらない風景に思いを寄せる。
○…外で遊ぶことに夢中で、ほとんど家にいない活発な少年時代を過ごした。小学生の頃はサッカー、中学から大学まではバスケットボール部に所属した体育会系の一面も。「歯科医大だったので、あまり強くはなかったですが」と頭をかくが、「あと1回勝てば強豪校と戦えたんです」と、文武両道の青春時代を振り返る表情は晴れやかだ。
○…妻との二人暮らしで、二人の息子は医師の道を歩む。スポーツ観戦が趣味で、現地での応援も楽しみという。小中学校の同窓会の幹事も務めており、受賞を同級生に伝えると「『あの高熊くんが』と驚かれる」と笑顔。栄えある賞をきっかけに、「HIV患者への歯科診療や障害者施設での歯科検診といった活動が、他の地域にも広がっていけばうれしい」と、歯科医師としての矜持を力強く語った。
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