「あつぎ映画祭」でトークショーに出演した 大島 武さん 東京工芸大学芸術学部教授 49歳
大島魂、厚木に
○…1月15日に逝去した父で映画監督・大島渚さんの追悼イベントになった今年のあつぎ映画祭。3月10日、市文化会館で開かれ、母で女優の小山明子さんとともにトークショーに出演した。大島監督の長男。今年の上映映画は偶然にも監督作品の『少年』と『戦場のメリークリスマス』。「厚木を拠点に文化を発信し続けることが大切。発想を変えれば、”映画館がないまちの映画祭”というキャッチフレーズは逆に面白いのでは。そのイベントを充実させれば全く違ってくる」と力強く話す。
○…現在、東京工芸大学芸術学部で教授を務める。専門はプレゼンやビジネス実務論。一橋大学を卒業後、NTTに勤務し、新入社員を育成する部署に配属された。1994年、ロンドン大学でMBAを取得後、「先生になりたかった」夢を追い求め、大学教授の道に。「もともと小学校の先生になりたかったんですが、父が反対しまして。人というのは教えてもらうのではなく、自らが学びとるものだとの哲学があったそうです」。
○…生前、父からかけられた言葉が今も生きている。「お前が面白いと思っていても、周りの人はそうは思っていない」。大学教授が一番つまらないと父から言われたそうだが、逆にその垣根を越えようと、学生に対しては、「若い力を育てたい」と意気込む。「生意気で突き抜けた学生がいてもいい。発表することは人目にさらされて批判されるリスクを負う。不完全でも若いうちはそれが重要」と成長するためには積極性が欠かせない要素だと説く。
○…「大島映画スピリッツをどこかで思い出してもらえたら嬉しい」と話す。厚木に映画館があればいいのではと聞くと、「大学も多く文化会館もある。伝統芸能も活発。大学で映画を上映する機会を作ればいいと思う」と展望を語る。4月で50歳。水泳のマスターズ50〜55歳の部に入りメダルを取ることが目標。4人家族。藤沢市在住。
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