厚木市が2015年に開場予定の(仮称)健康こどもの森(中荻野)。今年9月から整備工事が始まる予定の同地で、県が「絶滅の危機に瀕している種」としているアカハライモリが生息していることが分かった。
これは、6月11日の厚木市議会一般質問で高田浩市議が述べたもの。高田市議は一般質問の際具体的な生物名を伏せていたが、その後アカハライモリだと明らかにした。
高田市議によれば、イモリを発見したのは5月30日。同施設の予定地となっている休耕田の一角で発見したという。
県が2006年に改定した県内版「レッドデータブック」では、アカハライモリは「絶滅」「野生絶滅」に次ぐ「絶滅危惧I類」に指定。「厚木市の荻野川では、生息が確認されているものの、同市の上依知、猿ヶ島、関口の相模川河川敷や河岸段丘においては、過去に生息していたが、既に絶滅したと思われる」との記述もある。
この件について、同施設整備を所管する市公園緑地課では、イモリの生息を把握していなかった。同課は施設整備にあたり、1992年に行った環境影響調査(アセスメント)と、市民団体の調査を生物保全の参考資料にしている。
同課は「全く調査していないわけではない」と話すが、県による独自のレッドリストの作成は環境影響調査後の1995年。そのため、92年の調査には反映されていない。同課によれば、最新の県内版「レッドデータブック」との照合は現在までに行っていないという。
同課は「希少生物が見つかった場合、工事中は一時避難させる」としているが、そもそも20年以上前の基準では、近年個体数が減ったものや県固有の生物に対応できない恐れがある。希少生物の存在は施設にとっても魅力であるだけに、慎重な対応が求められそうだ。
同施設の工事は今年9月から始まる予定。公園緑地課は生物保全について「県基準との整合を図り、専門家の声を聞きながらやっていきたい」としている。
(仮称)健康こどもの森の計画地は荻野運動公園北側の山林約6ヘクタール。「自然体験活動の新たな拠点」として空中回廊などを整備し、体験学習を行う予定。
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