東京都港区の森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)で『建築の日本展〜その遺伝子のもたらすもの』が開催されている。400点超の貴重な資料や模型から、日本建築の本質に迫る展示のメインの一つが、建築家の故・丹下健三氏(1913―2005)の自邸を3分の1サイズで再現したもの。現存しない丹下邸の製作監修をしたのが、市内寿町に設計事務所を構える野口直人さん(東海大学建築学科助教・36)=人物風土記で紹介=だ。
昨年5月、旧知の仲だった同美術館の展示・制作グループのマネージャーから依頼を受けたのが始まり。単にサイズを縮小した忠実な模型ではなく、「建築家の意図を汲み、その考え方を内包するような作品にしたい」という意向が一致した。
知人からの紹介で製作を依頼したのが、宮大工棟梁の芹澤毅さん(46・おだわら名工舎理事長)。感覚が鋭く、「文化的に残る仕事をしたい」という志を持つ芹澤さんの技術を得て、方向性や意匠を確認しあいながら完成をめざした。
森美術館での設営が始まった4月12日の夕方、現場を訪れた野口さんが丹下邸を見て発したのは「大きくてかわいい」という言葉。奥行約6m×幅約3mの「模型だからこそ表現できることが形になった。実寸では感じられない愛らしさが生まれてきてよかった」。
『建築の日本展』は9月17日(月・祝)まで。会期中は無休。
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