▽1746人が審査を受けて、合格者はたったの10人。合格率は0・6%弱。剣道の8段審査の今年のデータである。7段を取得してから10年後に受けることができ、「弁護士資格より難しい」とも言われるこの超難関の審査を一発合格。晴れて教士8段となった厚木剣道連盟所属、サラリーマン剣士の東倉雄三さん。「正直、受かると思ってなかったから、受かっちゃったという感じ」と謙遜するも、強いまなざしからは自信がみなぎるようだ。
▽「8段は極めて難しい。自分の人生では縁がないと思っていた。2次審査に進めたらいいなくらいだった」と言う。審査では、「普段通りできたことが合格に繋がったのかも」と振り返る。審査の待ち時間は、神経を集中させ、自分の世界に浸る人も多い中で、パソコンを開いて仕事をしていた。「審査が平日だったから、仕事のメールが山のように届いていて」。逆に普段通りだったからこそ、審査でも平常心で臨めたという。
▽92年にソニー株式会社に就職。厚木に配属となり、戸室の思斉館滝澤道場へ通うように。今でも「仕事と剣道の両立」という、サラリーマン剣士ならではのテーマに「年100日稽古する」という目標を立て、海外出張でも防具は忘れない。「昇段審査は誰と当たるかわからない。今思えば、これまでに何人もの人と稽古をやってきたのが結果的に良かった」と笑う。
▽「他の8段の先生に比べてまだまだ未熟。8段は通過点で、これから修行が始まる」と身を引き締める。異動で厚木を離れた今でも、思斉館には顔を出している。「人生の師匠」と慕う滝澤建治8段に近づくように、これからも剣の道を時間の限り学び続ける。
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