子どもたちの「なぜ?」を大切に、感性・創造性・主体性を育成する観点から、「科学する心を育てる」ことを目的に、2002年から始まったソニー幼児教育支援プログラム。神奈川県では最高の「優良園」に選ばれた子中保育園(厚木市下荻野/大塚貴史園長)を取材した。
2019年度ソニー幼児教育支援プログラムには、全国33都道府県の幼稚園・保育所・認定こども園から、過去最多となる153件の応募があった。子中保育園では、「体験によりそう〜子どもたちの協同が生み出す創造性〜」をテーマに、2歳児から5歳児までの保育実践論文をまとめた。審査委員会からは、「保育者自身が変わる」という課題を挙げ、保育を振り返り真摯に取り組んだ点が評価された。
同園では子どもたちの「協同」の姿に注目し、科学する心を育むことを実践した。取組みの中心となった和田香澄保育士(3・4歳児担任)は「子どもが主体的に遊ぶための声かけや促し方を意識した」という。「興味深い」と感じた場面では、カメラだけでなくビデオでも記録した。
異年齢園児の協同作業の一例
昨夏同園では、園児がホースを自由に使い、水遊びや泥遊びを楽しんだ。その中で保育士は、水を出し続ける園児を止めることなく見守った。最初はたくさん出していた園児も、次第に水の量を調整し始めた。園庭は水浸しに。園の門から道路へ水が流れそうになったとき4歳児園児は、泥水の中から砂をすくい、水流を堰き止めようとしたが水量が多く、なかなか堰き止められない。その様子を見ていた2歳児の園児が、スコップを置き堰き止めた。そこからは2、3、4歳児が協同して堰き止め作業を楽しんだ=写真上。
また、ペットボトルを潰して遊んでいた3歳児園児が、「どうやったら膨らむのか」を考え、チャレンジする姿も見られた。最初は砂や水を入れて試行錯誤をしていた。少しは膨らむものの、完璧に戻すのは難しかった。ところがある日、4歳児園児がホースの水圧が強いことに気がつき、ペットボトルの口にホースを入れ、勢いよく水を流すと膨らませることに成功=写真下。「年齢の違う複数の子どもが、助け合いながらチャレンジする様子が見られた」という。
同園では、模造紙に付箋で貼っていく「すがた・きづき」共有ボードを活用し、保育士間での振り返りを大切にしている。和田保育士は「子どもたちの個性や、その子らしさを表現できるようにするためには、保育士と子どもの関係性が対等であることが重要」と話した。
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