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1年で目標の3倍を回収・配布 フードバンク事業2年目へ

社会

公開:2020年4月17日

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賞味期限が書かれ倉庫に分別されている食品
賞味期限が書かれ倉庫に分別されている食品

 2019年4月に始動した厚木市市民協働提案事業の「フードバンク」が1年を迎えた。民間団体等が市の補助制度等を利用して実施する事例が多い中、市との協働での実施は数少ないケース。継続事業として2年目を迎える実施団体に1年目の成果を聞いた。

 フードバンク事業は、『特定非営利活動法人Heart34(みいよ)』(立石太郎理事長)が運営。まだ十分食べられるのに「売り物にならないから」と廃棄される予定だった食品を、食品会社やスーパー、個人他から寄付してもらい、食べ物に困っている人たちに無料で届けるという仕組み。

 同法人によると、1年間の食品回収に関して、昨年4月から今年2月までのアミューあつぎ会場での回収実績は、計11回で計840kgが寄せられた。また、フードデザインの授業がある厚木東高校の協力を得て文化祭や学校で回収したものと、随時同法人事務所で回収を受け付けた分を合わせて2180・5kgを回収。3月末までの食品回収実績は合計3020・5kgだった。

 一方、食品の配布については、必要としている人に事前に登録をしてもらうことで食物アレルギーの有無や家庭での調理等の環境を調査。ニーズの合致するものを原則として支給。結果、登録は63件、利用は163件、配布実績3008・8kgとなった。

 同法人では、1年の目標設定を食品回収量1000kg、利用登録者60件、同件数100件、配布食料1000kgに設定しており、回収量・配布量とも300%以上の達成率となった。

 同法人の担当者は、「当初認知度・理解度に不安があったが、市や市社会福祉協議会、厚木東高校をはじめ、福祉関連機関、地域媒体などの協力で目標を上回る実績が残せた」と分析する。また、「やってみて、例えば炊飯器や調理器具がない家庭に米を渡しても食べられないなど、食料を求める人の事情まで気を配らないと意味がないということなどもわかった」と振り返る。

 2年目は、子ども食堂や食品メーカー、大学等との連携・協力の強化を模索する一方で、1年目で課題となった、持ち帰ることが困難な障がい者や高齢者に向けて配送体制の準備を進めるという。

 厚木市のフードロスは年間6000トン(同法人調べ)。担当者は、「この事業だけでは焼け石に水かもしれないが、この活動が一人ひとりが動き出すきっかけになることに意味がある」と話した。

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