厚木市下荻野の子中保育園(大塚裕子園長)がこのほど、社会福祉法人日本保育協会主催の「第14回保育実践研究」で「最優秀賞」を受賞した。今後の保育内容の向上と充実に役立てるためのもの。
最優秀賞を受賞した研究は、「『いいことさがし』で育まれる伝え合いと協同性」。これは5歳児(年長)クラスに荒れた雰囲気が生じ始めてから、問題解決までのプロセスをまとめたもの。
昨年8月、5歳児クラスでは表情の硬さ、友だちの言動を保育士に言いつける、意地悪な言動、落ち着きのなさなどの問題点が見られた。これに対し、7月から保育士同士で相手の良いところを挙げる「いいとこさがし」を実践。担任の大野亜海保育士によると、「他者に認めてもらえる、または他者の良さを見つける嬉しさを5歳児にも感じてもらいたいと思い、9月に『いいとこさがし』を行った」という。
「いいとこさがし」の流れは、【1】1回に1人の良いところを他のみんなでそれぞれ挙げる、【2】挙げられた良いところをホワイトボードに書き示す、【3】「いいとこさがし」の対象児からも質問や意見を言うことを可とした対話的な場にする、【4】挙げられた良いところは模造紙に表としてまとめ、あとからいつでも見られるようにする。
5歳児クラス(8人)では、週1回1人ずつ実施。回数を重ねるごとに、子どもたちが挙げる良いところが、「おもしろい」や「やさしい」から、「はさみの使い方が上手」や「優しくてかわいい」「お絵描きが上手」など、具体的なものへ変化。また家庭にも広がり、保護者が園の活動に興味を持つだけでなく、実際の行動への結び付けになった。
11月に8人全員の「いいとこさがし」が終了すると、「子どもたちは自分たちで話し合って物事を決めようとする態度が身につきました」と大野保育士。また「みんな表情が柔らかくなり、穏やかになった。困っていると自然に助けるようになった」と感想を話す。
評者からは「思いやりや優しさのある子どもを育む『こころ』保育のエクササイズとして参考になった」と評価された。
大野保育士は、「このような賞を受賞できたことに、驚きが隠せません。友だちに対して興味を持ち始める姿、互いに認め合う姿など、日々自信に満ち溢れた子どもの変化を側で見ることができました」と喜びを話した。
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