愛川町営斎場「愛川聖苑」の町民の火葬炉使用料が、10月1日(木)から有料となる。高齢化の進展で火葬炉利用の需要増が見込まれるなか、持続的な行政サービスを提供し適正な管理を図る目的で使用料を改定する。
同苑の火葬炉使用料を有料にする条例改正案は、今年3月の町議会定例会に提出され、賛成多数で可決された。
10月1日の改定後は、従来から町外在住者に設定している火葬炉使用料の10分の1相当を負担することになり、12歳以上が8千円(町外在住者8万円)、12歳未満が5千円(同5万円)など。通夜や告別式での式場使用料や、霊安室使用料等は変わらない。
変化する葬儀の形
1997年12月に供用開始された同苑は、火葬炉3基のほか、式場や告別室などを備え、町内外の人に利用されている。町では、斎場という施設の特性を踏まえ、町民が利用するメリットとしてこれまで町民の火葬使用料を無料としてきた。
しかし、経年劣化とともに維持管理費が増加。核家族化などで通夜や告別式を行わない火葬のみの葬儀が増えるなど、同苑の利用形態も大きく変わってきた。
担当の町住民課によると、同苑の維持管理経費は年間8500万円から9000万円。2015年には町外利用者の通夜・告別式の式場使用料を値上げするなど適正化に努めてきたが、厳しい収支の状況は変わらず、2016年度から黒字となったのは2018年度の1回のみ。ほぼ毎年数百万円の赤字状態が続き、施設の改修が必要な場合や燃料の灯油価格が高騰すると、年間1000万円以上の赤字になることもあるという。
町外在住者の利用減も視野
同苑の利用者は約3割から4割が厚木市や相模原市など町外在住で、収入の柱となっていた。しかし、厚木市斎場が共用開始した2012年以降は厚木市からの利用者が減少。相模原市でも新たな斎場の計画が進んでいるという。同課では「町民の皆様に負担をお願いするのは心苦しいですが、火葬に要する経費や近隣公営斎場との均衡等を考慮し、火葬炉使用料を改定させていただくことになりました。斎場の長期的で適切な維持管理のためにも、ご理解とご協力をお願い申し上げます」と話す。
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