任期満了に伴う厚木市長選挙が2月12日に投開票され、前県議会議員で新人の山口貴裕氏(50/自民・公明推薦)が、新人4人の選挙戦を制して初当選を果たした。1995年から3期を務めた元市長の山口巖雄氏(80)を父に持つ山口氏、親子2代の市長は厚木市では初となる。投票率は前回を0・28ポイント下回る40・32%だった。初登庁は2月24日(金)。
4期16年を務めた現職の小林常良市長が引退を表明し、新人4人が立候補。28年ぶりとなる4人の候補者による争いとなった。
山口氏は、厚木市議会議員を経て神奈川県議会議員を3期、昨年11月28日に「責任世代として、新たな厚木を作る世代交代」を掲げ、立候補を表明。自民・公明の推薦をはじめ、市議19人の支援、厚木市農業協同組合など、多くの団体から支持を得て「県央姉妹都市構想」を提唱。「農業振興」や「企業誘致」等8つの政策を訴え、選挙戦を展開した。
開票当日、事務所には午後9時前から続々と支援者が訪れ、10時半ころには溢れるほどに。11時25分の開票が確定すると歓喜の輪が広がった。
山口氏が姿を現すと、会場の盛り上がりは最高潮に。壇上に上がった山口氏は、「選挙戦をまわる中で市民の皆さんから現状への物足りなさなどの意見を耳にした。(私の掲げる)周辺の自治体と連携を図る『県央姉妹都市構想』をはじめ、約束した政策を実行していきたい。そのかじ取り役として取り組んでいきたい」と、決意を語った。
その後の本紙の単独取材に山口氏は「3万を超える市民の皆さんの支持をいただき、いよいよ厚木の未来を実行する取り組みがスタートします。子育て支援、高齢者支援、そして若者支援という形で市民の為の厚木を作っていきたい。そして、県央の、神奈川の雄都として、光り輝く、世界からも憧れられる厚木をしっかりとつくっていきたいと思う。市民満足度ナンバーワンをめざしてがんばっていきたい」と話す。元市長で父でもある巖雄氏は、親子2代での市長就任について「市民サイドで汗を流すことが市長の役割。市長は孤独なもの。家に帰れば家族だが、政治で口を出さない」と話した。
井 上 氏
現職小林常良市長の引退を受け、後継候補者として12月8日に立候補を表明した井上氏。「市民と共に」を掲げ、市民協働をはじめ、子育てや高齢者支援、本厚木駅北口再開発の推進を訴えた。
多くの支援者が集まる中、午後11時の開票速報で山口氏に500票差をつけられると事務所内の空気は一変。それでも「まだわからない」と集まった支援者から勝利を信じる声が聞かれた。しかし11時30分、厳しい結果が伝えられると事務所内は静まり返った。
支援者の前に現れた井上氏は「多くの支援者に支えられ最後まで戦ってきたがこのような結果になり申し訳ない」と深々と頭を下げ、「私に投じてくれた約2万票の気持ちを裏切らないよう、今後も厚木市のために働いていきたい」と述べた。
佐 藤 氏
2回目の市長選挑戦となった佐藤知一氏は、日本維新の会の松沢成文参議院議員を選対本部長に迎え、「市役所と文化会館の同時移転(合築)」や「ふるさと納税で稼ぐ自治体」を政策の柱に選挙活動を展開した。
支援者の集まる事務所では、午後11時過ぎに敗戦の知らせが伝えられ、11時12分に佐藤氏が事務所へ。支援者に向け、深々と頭を下げた。
佐藤氏は「皆さま方に力いっぱい支えてもらい、最後まで戦うことができた。ありがとうございます」とコメント。また本紙の取材に対して、「私にできることはこれ以上ない。スタッフの皆さまも限界以上に頑張ってくれました」とひとこと。選挙戦では感触は良かったとし「これが今の私の力。実力以上の壁があった 」と目を細めた。
豊 氏
共産党推薦で元高校教員の豊雅昭氏。事務所で10人ほどの支持者と開票を待ったが、3者に大きく離され、厳しい結果に。「有権者がもっと具体的にイメージしやすく語るべきだったかもしれない。選挙戦で伝えるのは難しい」と振り返り「市民の声に勉強させられた」と語った。
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