厚木市金田からほぼ対岸にある「海老名マスジド」(モスク)に4月22日、大勢のムスリムが集まった。3月22日から4月20日の間は、日の出から日没まで断食する「ラマダン」の期間。この日は特別な期間を終えての祈りだった。
女性は建物内、男性は屋外に分かれ、いずれもマスジドから相模川の方向(メッカの方向)に向かって並び、目をとじるなどして祈った。終わった後は知人同士で抱擁する姿もあった。
ラマダンには多くの目的が凝縮している。食べないことで貧しい人の気持ちを分かち合い、私利私欲を抑え、困っている人を助ける。体を休める-など。マスジドの関係者は「重要なのは、ラマダンが終わった後も、この心を保ち続けること」と付け加えた。
終わった後は「少し寂しい」
この期間は昼間に飲食することはないが、夜明け前や日没後は家族で食卓を囲む。親子連れの男性(インドネシア出身)は「ラマダンの間は家族で一緒に食べる嬉しさもあった。終わると少し寂しい」と語った。
ラマダンの間は会社に勤めていても朝から食事や水も摂らずに働く。小中学生も同じだ。厚木市在住の中学生は「給食の時間はみんなと別の部屋で過ごしました。断食が終わると嬉しく、ちょっぴり寂しい。アラーが一番僕らを見守ってくれている時期なので」。断食の期間中も、学校に行けば体育の授業がある。厚木市教育委員会では「宗教的信条を尊重するのが基本。安全面を考え、無理をさせないように配慮している」と話す。
学校によっては外から見えない祈りのスペースを用意している所も。給食は食べられない食材があり、弁当持参が多いようだ。厚木市在住の高校生は「学校の食堂は使えませんが、弁当を作る母には感謝しています」とはにかんだ。
断食の後は、知人の家を訪れたり、食事をするなど祭のムードになる。ケーキやカツレツに似た「コートレット」を囲む家も多いという。モスクの隣にはケバブの店も開き、行列ができていた。
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