「厚木学」を提唱する松蔭大学の観光メディア文化学部准教授 鈴木 秀顕さん 厚木市岡田在住 52歳
「厚木学」で地域を変える
○…一年前に同学へ赴任。厚木という地域を分析し魅力を再発見、観光や地域活性に繋ぐ仕組みづくりの研究を「厚木学」と位置付けた。専門は情報・メディア論。観光の肝も情報だと考える。「これからの人気観光地の条件は有名スポットの有無じゃない。一度来訪しただけで満足してしまえば地域経済は成り立たない」と分析。会う人会う人に尋ねる。「厚木の魅力ってなんだと思います?」
○…魅力ある観光地の条件は「その場所でしか得られない体験」と解く。地元の人にとって当たり前の出来事が、外から見ればお宝のことも。外からの視点の再現に学生は有用だ。今年は森の里地域で始まった産学協働の畑作りプロジェクトに学生を参加させ、「体験の中で厚木の魅力を見つけ出すこと」を課題に据えた。「どの地域にも、そこにしかない魅力が必ずある。厚木学の仕掛けを全国で展開」と期待を込める。
○…実は、大学卒業後は大手総合商社のトップセールスマンとして全国を飛び回っていた経歴を持つ。当時広まり始めたばかりの携帯電話、インターネットビジネスの最前線で活躍。「経済の原理原則は物や体験に付加価値をつけ商品やサービスとすること。観光はその最たるものの一つ」と熱を込める。
○…大学教員になったのは「オーストラリアの広大な畑で自給自足の働かない暮らしをする」という昔から抱く夢を実現するため。「移住の資金づくりのはずが、学生に教えたり一緒に考えることが楽しくなっちゃって」と笑う。「でも、思い描いた夢の暮らしと厚木の暮らしってなんだか似ているんですよ」とポツリ。厚木の魅力とは。研究は始まったばかりだが、青い鳥はすぐ近くにあるかもしれない。
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