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厚木市長インタビュー 5市町村で相乗的発展を 企業、文化スポーツも連携へ

政治

公開:2023年8月11日

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本紙のインタビューに応じる山口市長=8月4日・厚木市役所
本紙のインタビューに応じる山口市長=8月4日・厚木市役所

 厚木、愛川、清川、伊勢原、秦野の5市町村が7月に「県央やまなみ」を冠する広域連携の協定を締結した。市長選の公約の中でも難易度が高いと思われた広域行政の枠組み作りについて、自身の近況も交え、山口貴裕市長に話を聞いた。

「意義あるもの」

――市長就任から5カ月で締結に至った「県央やまなみ」の5市町村広域連携について、その枠組みと締結の経緯は。

 近年、少子高齢化や人口減少社会が進展し、都市間競争が激しさを増す中において、質の高い行政サービスを安定して提供し続け、住民の皆様が地域に誇りと愛着をもって暮らしていただけるためには、私たち基礎自治体が都市間競争ではなく、「都市間協調」を図り、市町村の枠を超えた広域エリアによる競争力を高めていく必要があると考えています。そうした中、古くから交流のある秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村と、令和5年度から連携強化に向けた協議を進め、7月18日に協定の締結に至ったことは、大変喜ばしいことと考えています。また、協定の締結はこの5市町村が一体となって地域づくりに取り組んでいこうという思いを共有し、その意思を示すためのもので大変意義のあるものだと考えています。

 自治体間の壁を越え、交流を積極的に行い、お互いの情報や資源を共有しながらあらゆる事業の効率化を図り、より効果的な取組について検討するなど、課題解決に向けて前進することで、これまで以上に地域の存在感を高め、それぞれの市町村の相乗的な発展を目指していきたいと考えています。今回の協定締結を機に、この5市町村が今まで以上に固い絆で強く結ばれ、世界が憧れる、将来にわたって発展し続ける「強いエリア」「魅力あるエリア」となることを祈念しています。

公約との整合性

――市長選挙で公約とした「県央姉妹都市構想」と、協定の関係性は。

 市長就任以来、私の公約である「県央姉妹都市構想」を厚木市の取組として掲げ、近隣市町村との広域連携の推進を重要施策の一つとして取り組む中、秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村と、丹沢・大山を軸とした連携強化に向けた協議を進め、本年7月18日に広域連携の強化に関する協定の締結に至ったものです。厚木市が進める「県央姉妹都市構想」の取組と、5市町村の協定に基づく取組については、いずれも「都市間協調」の視点から地域全体の活性化を図り、将来にわたり発展し続け、魅力あふれる地域社会の創造を目指すものであり、目指す方向性や目的は同一であると認識しています。

広域の視点

――厚木市が協定の中心となるなか、愛川町・清川村が抱える行政課題、秦野市・伊勢原市の課題をどう認識しているか。

 生活圏が共通する5市町村においては、高規格道路等の整備に伴う観光客の誘致や、面的な広がりを持った魅力の発信、大規模災害時における対応など、多くの課題を共有しています。また、人口減少や超高齢社会の到来など、時代はこれまでに誰も経験したことのない局面を迎えており、財源が限られる中にあっては、5市町村が従来どおり行政サービスを提供していくことにも限界があります。今後、各自治体が共有する広域的な政策課題に対して、限られた財源で質の高い行政サービスを安定的、持続的、効率・効果的に提供するためには、5市町村が連携していく必要があると考えています。

今後の具体策

――協定に基づいて今年度に取り組む具体的な施策は。

 協定に関わる5市町村の取組として、まずは、丹沢・大山・七沢・飯山・宮ケ瀬湖などを軸とした観光振興をはじめ、県道・地域高規格道路の整備促進にしっかりと取り組み、魅力あるエリア、強いエリアを目指していきます。

中核市

――「中核市」移行への考えは。

 5市町村において、中核市への移行は考えておりません。また、厚木市としても現段階では、保健所の設置・運営における財政負担の課題もあることから、中核市への移行は表明していません。

地方自治制度

――地方自治制度に対する考え方があれば。

 地方自治制度における、連携協約や連携中枢都市圏、定住自立圏といった制度については、事務手続き等に時間や手間を要することから、考えておりません。5市町村は、これまでも地域資源である丹沢・大山を軸とした地理的・歴史的なつながりの中、広域的な政策課題の解決に向け、「広域行政連絡会」を組織して、観光振興や災害対策などに取り組んできた経緯があります。こうした経過を踏まえ、5市町村が連携強化の協定を締結することで、これまで以上の緊密な相互連携を通じて、観光や災害分野に限らず、様々な分野での行政課題の解決に向けて、スピード感を持って取り組んでいきたいと考えています。

市長の近況

――2月の就任から半年、生活リズムや日常については。

 日々の日程と一つひとつ丁寧に向き合っています。行政の分野は広く専門性も高いですが、できるだけ自らの考えを職員に伝えるように心がけています。県議時代は朝5時頃に目が覚めて1日が始まりましたが、今は3時や4時です。それだけ重責を担っていると実感しています。

協定を締結した5首長。左から小野澤豊愛川町長、高橋昌和秦野市長、山口厚木市長、高山松太郎伊勢原市長、岩澤吉美清川村長
協定を締結した5首長。左から小野澤豊愛川町長、高橋昌和秦野市長、山口厚木市長、高山松太郎伊勢原市長、岩澤吉美清川村長

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