より良い最期を迎えるための準備を行う大切な活動「終活」。遺された家族の負担を減らし、自身の残りの人生を充実させる手段として有効とされている。「その時を迎えるための準備」について、JAあつぎ葬祭ディレクター(1級)の西川秀雄さんに話を聞いた。
――終活の中で特に準備という面についての相談やアドバイスを求められることはありますか。
以前はなかったのですが、今は多いですね。ご家族や親族、そしてご自身について、「何をやっておいたらいいか」ということをまず考えてほしいと伝えています。
――具体的にはどういったことが挙げられますか。
自分自身の身辺整理が必要になります。具体的には、「持ち物の整理」「友人・知人の整理」「預貯金の整理」といったところでしょうか。まず持ち物については必要ないものは処分を(処分には費用がかかるので)。友人・知人は連絡先などの情報をまとめる(葬儀の際の連絡に役立つ)。預貯金はどこの銀行や保険会社と契約があるか、不動産についても持ち分があるかなどです。余談ですが、相続人は家族のみかどうかも確認できた方がよいでしょう。
――実際にこうしたことを実践されている方は多いですか。
少ないと思います。特に持ち物に関しては、そのまま残されている方が多く、相続人に処分を任せっきりのことが多いように思います。
――近年はエンディングノートを活用されている方も多いようですが。
そうですね。多いですね。実際エンディングノートを見せていただくと、抜けている箇所があるケースが多いのですが、極力すべて埋めていただくことが重要です。「書きたくないことも書く」というように。エンディングノートをつける意味を理解していただき、そこは実践していただきたいと思っております。
――突然のもしもに備えておくべくことはありますか?
お亡くなりになり、どこにお帰りになるかということですね。ご自宅なのか、葬祭社が用意する霊安室でお預かりさせていただくのか。また、住所や本籍地なども確認しておくことも必要です(死亡診断書の記載事項に必要)。先ほどの話と重なりますが、親族、親戚、近親者、友人・知人などを連絡表に整理しておいていただきたいです。以上のことは、家族やきょうだいと事前に確認しておくことが大切だと思います。
――もしもの時に家族が備えておくべきことはありますか。
まず何といっても多少の蓄えは必要かと思います。葬儀費用や病院へのお支払いが真っ先に必要になりますので。
――今は一人暮らしの方も多いかと思いますが。
一人暮らしの方の場合は、連絡者がいるのかどうかが重要です。親族もいない場合は、民生委員などに相談しておくことと良いと思います。
――ご自身の体験の中で、何か終活に関連したエピソードやアドバイスはありますか。
ノートなどにびっしりとご自身の葬儀の希望などを書き込まれていた方がおりました。「このような祭壇で、このようなお花で」などと、細かくいっぱい書かれている方でした。もちろん私たちは、それらすべてに応えたいと思いご対応させていただいておりますが、花は時期によっては準備ができない、または時間がかかってしまうケースがあります。また、葬儀は時期によって、場所によってさまざまな地域差もあります。できれば奥様やご長男様などご家族の代表者様にある程度のことまではお話しした上で、多少の蓄えを準備しておき、あとはお任せしていただくというのがよろしいかと思います。
――最後に読者に伝えたいことはありますか。
残りの人生を充実させるという点においては、生活の中で何か夢中になることを見つけたり、チャレンジすることなどは大切なことだと思います。一方で自分が亡くなった後のことを考えることも充実した人生につながると思います。残った人たちのことも考える。そこにお人柄が偲ばれると考えます。
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