厚木市野球協会副会長の三浦勝利さん(及川在住・81歳)が同協会での審判生活50年を達成し3月17日、協会から表彰された。5度の傷病による休養を乗り越え、同協会では前人未到の記録。三浦さんは「85〜6歳までは続けたい」と意欲を示している。
岩手県出身の三浦さんと野球との出会いはほろ苦いものだった。甲子園が憧れだった三浦さんは、意気揚々と地元の強豪高校の門を叩く。しかし部員数が多く身長160センチ前後だった三浦さんは、監督から「背が小さいし、とても通用しないだろうからほかに行け」と言われ夢叶わず。野球部は、1年時と3年時に甲子園に出場。「本当に悔しかった」と唇をかみしめる。
しかし情熱は消えることなく、就職した企業とその後転職した警察で自らメンバーを集め野球部を創り、各大会で優勝するほどに成長した。
警察官になりすぐ、交通警察隊に配属され厚木分駐所に勤務。当時、厚木市内には全国レベルの企業チームがいくつもあり、自らのチームとの試合を懇願。その試合に勝利し、再戦では敗れたものの試合内容は紙一重。そこで相手から「ぜひ厚木市野球協会に入ってほしい」と依頼され加盟が決まった。
数年後転勤などでメンバーが集まらなくなり、協会を脱退することになったが、「せめて審判員としてだけでも残ってくれないか」と頼まれ、結婚を機に厚木市に住んでいた三浦さんらが審判員として残った。
5度の傷病乗り越え
これまで警察官時代に2度半月板損傷、さらに60代と70代で2度脳梗塞を患ったが、都度リハビリも行い数カ月で復帰。近年腰痛手術を受けその影響で休んでいたが、このほどグラウンドに戻った。「何がそこまで突き動かすのか」の質問に、「根から野球が好きなんだろうね。あとは高校で野球ができなかった悔しさもあるかな」と笑う。
審判としてのポリシーは、「信念をもったジャッジ」。特に勝敗を決するような場面での際どいボール判定は、より一層大きな声で「ボール!」と叫ぶ。「選手の将来を背負っていることを忘れてはならない」と自分に言い聞かせる。
50年続いたことについて、「よく続いたな。よくケガや病気を克服して戻ってこれたな。気迫と根性をほめてやりたい」としみじみ。すぐさま「体が許す限り、最低でも85〜6歳までは続けたい。ルールを丁寧に人の心に通じる説明ができる審判になりたい」
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