相模川のアユを捕食するカワウの被害を食い止めようと、神奈川県猟友会(安藤忠幸会長)の厚木支部が散弾銃による駆除を行っている。カワウの食害はアユ漁の収穫減など深刻な影響を与えており、同会では11月26日(火)まで、東名高速道路の高架下などで週2回、早朝に活動を予定している。
「パン、パン」――10月18日の朝6時、支部会員が散弾銃を発砲すると、100羽近いカワウが群れをなして飛び立っていく。この日は5人の会員が集まり、トランシーバーで連絡を取り合いながら、それぞれの持ち場で駆除の活動を行った。
相模川流域のアユを守るため、20年ほど前から続けられているカワウの駆除。厚木支部では、県内水面漁業振興会の依頼で毎年春と秋に実施している。
カワウは体長約80cmの水鳥で、川や海に潜って魚を捕食する。アユの遡上に合わせて10月になると川辺に集まり、翌年の4月ごろまでアユを主食にする。1羽あたり1日約10尾の魚を食べるという。
相模川漁業協同組合連合会(木藤照雄代表理事会長/愛川町半原)によると、今年4月から7月にかけて相模川水域全体に11トンのアユを放流し、天然遡上アユは約880万尾が確認されたという。
一時期は千羽近いカワウが生息していたこともあったが、安藤会長は「最近は飛んでくる数が減ってきた」という。しかし生息場所は広範囲にわたることから、実態把握は難しく、関係者は食害に頭を悩ませている。
安藤会長は「アユを守るためにも、安全を第一にしながら使命感を持って活動していきたい」と話していた。
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