犯罪⾏為で報酬を受け取る「闇バイト」による強盗事件が社会問題化する中、厚木市や厚木警察署、地元高校生らが協力して11月21日、本厚木駅周辺で街頭広報を行った。駅周辺のデジタルサイネージも活用し、通行人らに闇バイトの危険性を呼びかけた。
「闇バイトは犯罪」。本厚木駅周辺に設置されている16台のデジタルサイネージの表示が、午後6時に切り替わった。
闇バイトの防止に向けた街頭広報は、県警本部が主体となり、市や厚木警察署員らが協力して初めて実施。未成年による犯行が多いことから、年齢が近い厚木中央高校のボランティア生徒や、神奈川防犯シーガル隊も加わり、当日は20人ほどで活動をした。
参加者は、帰宅途中の学生などに「闇バイトに関する犯罪が増えています」「不審に思ったら応募しないように」などと声をかけ、注意を促すチラシやボールペンなどの啓発グッズを配布。受け取った通行人が「気を付けます」などと答える光景も見られた。
同校の馬場南帆飛さん(2年)は、自身がアルバイトを探す時には募集元の会社を調べたり、知名度があるかなどを確認したりしているという。同世代の犯行をニュースなどで目にすることも多く、「決して他人事ではないので、『自分は大丈夫』という油断は禁物。活動が少しでも闇バイトについて考えるきっかけになれば」と願う。
「迷わず110番を」
市内では、今年8月に中町の買取店で闇バイトと思われる強盗事件が発生。以降は、11月26日時点までに管内で同様の事件は発生していないが、厚木署生活安全第一課によると、今月に入り「不審な人物が家の中をのぞいている」などの通報があったという。
応募後に辞退したいと告げたところ、「家族がどうなってもいいのか」などと脅迫され、犯行に及んでしまう事例も相次いでいる。同署では、本人や周囲に危険が及ぶことがないよう、相談を受け付ける体制をとっているという。
同課では「不審な人物を見かけた時や、応募してしまった人で脅されている時などは迷わず110番を」と呼びかけた。
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