睦合北地区にゆかりのある偉人、井上篤太郎の碑文の解説板がこのほど完成した。1月9日に睦合北公民館で行われた新春のつどいの中で除幕式が行われ、お披露目された。製作は同地区厚木市制60周年記念事業の一環。
井上篤太郎は、1859年に現在の厚木市三田に生まれ、晩年に私財を投じて中津川に架かる才戸橋や三田小学校(現在の睦合北公民館)の建設などを行い、地域発展に尽力した人物。県会議員や衆議院議員といった政治家活動に加え、政界引退後は紡績業で発明特許取得、京王電気軌道(現京王電鉄)の取締役社長、取締役会長を歴任するなど企業経営でもその手腕を発揮したことで知られる。
同館の正門横には1935年頃に建立された高さ5mほどの石碑が建っており、井上篤太郎の生い立ちや経歴、功績などが刻まれている。解説板は石碑のすぐ近くに設置され、文章は石面に刻まれたものと同じ内容が誰でも判読しやすいように仕上げられている。
この取り組みは、同事業実行委員会(大澤雄次委員長・委員数18人)が中心となり、昨年8月ごろから製作が始められた。解説板と雨除けの屋根の設計は、建築業を営む同館の鈴木泉館長が担当。「滅多にできることではないから100年でももつように」と、耐久性に優れた南米原産の木材と、文章面はセラミックで作られた。
篤太郎翁のひ孫も感謝
除幕式には、来賓として小林常良厚木市長や曽田高治教育長に加えて、井上篤太郎のひ孫にあたる清水盈代さん(77)、松本渥子さん(72)、関理恵子さん(69)3姉妹など親族や関係者も招待された。鈴木館長の挨拶のあと、清流睦太鼓の祝い太鼓が鳴り響く中で幕が引かれ、解説板の姿が見えると参加者から大きな拍手が起こった。
初披露を終え、大澤委員長は「小学生の頃は、石碑にお辞儀をして学校に通っていたほど、地域には大きな存在の人。昔の偉人を知ってもらえる文がお披露目できて非常に嬉しい」と顔をほころばせた。
ひ孫の清水さんは、「終戦間もない頃、幼い記憶で篤太郎がサツマイモをナイフとフォークで食べていた姿をよく覚えています。解説文は本当にありがたいと思っています」と話した。
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