市内下荻野の子中保育園(大塚貴史園長)がこのほど、第13回保育実践研究で「優秀研究賞」と「研究奨励賞」のダブル受賞を果たした。主催は日本保育協会保育科学研究所。今後の保育内容の向上と充実に役立てようとするもの。
優秀研究賞を受賞した研究は、「自己選択を重視したお別れ遠足のデザインと実践」。これは、2017年2月に行われた5歳児クラスのお別れ遠足について、子どもたちの主体的な体験・活動をまとめたもの。当時担任だった伊藤千晶保育士は「自分の意見を言え、相手の意見も聞ける力を身につけること」を年間目標にし、重視した保育を実践してきたという。
お別れ遠足は、まず行先を自分たちで決めるところから始まった。多数決で水族館に決まり、遠足当日までに、見学場所、昼食選び、保護者への遠足案内の作成、約束事の決定=写真中央=を行った。遠足後には、子どもたちから「思い出の絵を描きたい」との声があがった。伊藤保育士は「それほど楽しかった、表現したいという意欲をかきたてる体験になったのでは」と振り返る。「子どもたちがやりたいことを広げてあげることが大切」と話した。
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研究奨励賞を受賞した「図解コミュニケーション(図解法)の試行的実践」は、桑田幸生(ゆき)保育士が、子どもと言葉による意思疎通が困難であると感じた場合に、図解法が効果を示す可能性について報告したもの。
研究背景には、何度注意されても同じことを繰り返してしまう子どもがいた。注意しても視線を合わせず、理解できていないと感じていた。そのとき桑田保育士は、伝えたいメッセージを子どもに向かって話しながら、その場で絵や図を描いて示した=写真下。すると、対話時に視線を合わせ、落ち着いて聞くようになったという。「注意された内容を自分の言葉で言い直し、目を見ると伝わっていると感じた」という。「子どもたち一人ひとりに合ったコミュニケーションが必要。これからも図解法を継続し、会話の中にも盛り込めるようにしたい」と話した。
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