「南の海で生まれた丹沢・大山の化石」をテーマに地学教室を開く 門田 真人さん 三田在住 69歳
オウムガイの化石に鳥肌
○…10年前から県立生命の星・地球博物館外来研究員の傍ら、体験教室や講演活動をしている。睦合西公民館で8月11日、親子を対象に「地学教室」を開く。約1500万年前の丹沢山地はサンゴやオウムガイが棲む南の火山島だった。フィリピン海プレートの北上によって本州に衝突した証拠となる岩石や実物の化石を紹介し変遷を解説する。「子どもたちが化石に興味を持ってくれたら嬉しいね。生きている自然は知れば知るほど楽しいもの」と落ち着いた口調で話す。
○…23度の地軸の傾きで春夏秋冬が生まれ、生物全体の生態系が決まってくるという。「人間が変えることはできないけれど、地軸の傾きを知ることで生きていることを実感できる」と力を込める。1994年、海抜1300mの丹沢の谷で初めてオウムガイの化石を発見したときは鳥肌が立ったそう。「足が止まったまま身動きができなかった」と目をつむり当時を思い出す。発見したときは誰も信じてくれなかったというが、その後の調査で30〜40個見つかり実証され大きな成果を残した。02年『丹沢の化石サンゴ礁』を上梓した。
○…東京生まれ。自然の中で遊ぶのが大好きだった少年時代。50年前に三田に移り住んだ。東海大相模高で理科の教鞭を執っていたとき生活に密接に関わっている地学が当時選択科目になく寂しい気持ちを抱いていたそう。地学の授業を受け持ったときは「物理、化学、生物を追い抜かすような面白い授業をしたかった」というのが最初のきっかけだ。登山部とかけもちで地学部を作り生徒に面白さを伝えてきた。旧文部省から教材制作を依頼されたことも。
○…6月まで神奈川地学会の会長も務め、研究に明け暮れる毎日を妻と息子夫婦が支えている。夜、一杯のお酒を飲むのが唯一落ち着く瞬間だとか。「無駄が多い化石探しですが、無駄を重ねることが大事。地球はダイナミックですよ」と探究心は果てしない。
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