伊勢原在住の童話作家・福明子さん(53歳)が昨年7月に発表した「天風の吹くとき」(国土社)が今年6月、第57回青少年読書感想文全国コンクール・小学校高学年の部(5・6年)の課題図書に選ばれた。
読書を通じて豊かな人間性を育むことを目的に、全国規模で行われるこの読書感想文コンクール。今回、高学年の部の課題図書4作品の1冊に選ばれた「天風の吹くとき」は、大きな秘密を抱えた主人公・「林子」がまっすぐに命を見つめながら過ごした28日間の夏を描いている。作品は、31年前に逝った母の闘病体験をベースに描かれており、福さんは「主人公の生き方は私のあこがれ。全国の小学生に読んでもらい、自分の命、自分のまわりを見直す機会にしてほしい」と話す。
母に続き昨年10月、最愛の父もガンで亡くした福さん。自身も33歳の時、ガンに侵された。手術によりいったんは仕事に復帰。これまで25年以上にわたり、市内の小学校で教員を勤めてきたが、3年ほど前にガンが再発。現在は首と腰、背骨に転移が見られ、通院をしながら治療を行っている。最初にガンが見つかった時、「1人の方が誰かに迷惑をかけないで済む」と結婚をしない人生を選んだ。現在は1人で暮らしている。
「親の看病をしたから、自分の状況はだいたい分かっています」と福さん。来年には新刊も予定され、「本を書く、本を通じ人とつながっている今、本当に幸せ」と瞳を輝かせる。
「天風の吹くとき」は現在、児童図書を取り扱っている全国の書店で販売中。
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